大沢在昌のカルテット・シリーズ第2段。
前編でグループとして認めあった3人であるが、
男2人に女1人であるからして想像はできる。
憎しみだけで生きて来たタケルはカスミに惚れてしまう。
ホウとてグループ存続を第一に考える事で抑えてはいるが、
カスミに惚れている。カスミは二人の気持ちに気づいているが、
グループを存続させ自分の目的を果たすために上手く利用する。
カスミは何者なのか? カスミの父親である藤堂は、
国際的な犯罪者であり、クチナワが追っていた。
ある日カスミは自分の隠された部分を伝えるため、
タケルとホウを誘って山奥にある麻薬中毒者の更生施設へ向かう。
主宰者の郡上はかつては藤堂の右腕と言われた男だった。
今でも藤堂とつながりがある郡上から情報を得ようとしたが、
何者かによって施設は爆破され郡上も殺されてしまう。
藤堂の組織はタケルの家族を惨殺した犯人と繋がりがあり、
父親を追い詰める事はタケルにとっても厳しい局面になる。
クチナワは次の捜査を指示する。
解放者と呼ばれる集団がゲリラ的にイベントを行い、
薬物を配布している。首謀者は誰なのか?
タケルとホウはカスミとは別のルートで潜入する。
一方カスミはホウの友人のダンサーに惚れてしまい、
そのルートから潜入していくが、タケルとホウはカスミが
捜査のためでなくダンサーと男女の関係になった事で、
裏切られたと思ってしまう。カスミも後ろめたさから、
二人とは距離感ができてしまう。
解放者には莫大な資産と後ろ盾を持つ女性がおり、
一見その女性が首謀者と思われていたが実は当然の如く、
ヤクザが絡んでいた。ヤクザは藤堂の行方も追っており、
娘のカスミを人質に取ろうとする。
カスミを助けようとするタケルに藤堂から電話があり、
タケルは飛び込んで行くがカスミは流れ弾に当たって
負傷してしまう。間一髪でクチナワが現れ事件は解決するが、
カスミを乗せた救急車が忽然と消えてしまう。
続きは第三段「十字架の女王」へと続く!