大沢在昌のカルテット・シリーズ第3段。
前作の最後で流れ弾にあたり重傷を負ったまま連れ去られ、
生死が判らなくなったカスミ。
死んでしまっていたらシリーズが続かないので、
生きているのだろうとは思ったけれど。
カスミは生きており父親の藤堂と行動を共にしていると
残された3人(タケル、ホウ、クチナワ)は考えていた。
藤堂を裏切った男は「マッカーサー・プロトコル」と呼ばれる、
大戦後に残された文書を持っていた。
マッカーサーがヤクザと手を組んで日本を変えようとした時に
ヤクザを保護するため書いた文書で、現代では役に立たないと
思われるのだが目の色を変えて追いかけるヤクザ。
タケルは自分の家族を惨殺した集団がカスミの父親である藤堂の
管理下にあった事で複雑な気持ちになるが、仇を討つために追う。
クチナワは藤堂逮捕に執念を燃やしタケルとホウを使って、
藤堂を追い詰めて行く。
藤堂は昔からCIAと絡んでおり、ヤクザ、警察と
絡みに絡んだ集団は最終的に一騎打ちとなり、
どの集団にも多数の死者を出して終結する。
その後で・・・カスミをかばって身を挺し、
撃たれて死んだとみられたホウはクチナワと取引をして、
日本人として別人の戸籍を得る。
タケルはカスミを守る事より家族の仇を取る方を選び、
ホウのカスミを思う愛に負けた事を知る。
ホウが生き残った事で、別な続編が出て来てもおかしくない。
と思ったのだけれど、どうだろうか?
素人の若者たちがヤクザや犯罪組織や警察を向こうに回して、
これほどまでにやれるとは・・・・
とも思うけど小気味よかった。