インドで考えたこと堀田 善衞岩波書店このアイテムの詳細を見る |
椎名誠氏が著書のタイトルを「インドでわしも考えた」としたのは、
この本を読んだからだそうな。
著者の堀田善衞氏は1918年(大正7年)富山県高岡市生まれで、
昭和27年には「廣場の孤獨」などにより、
第26回芥川賞を受賞している。
堀田氏がインドへ行ったのは1957年、
アジア作家会議に出席のためである。
この時の様子をまとめたのが「インドで考えたこと」である。
最初にインドの地(カルカッタ)に降り立った時、
街中に見えるのは男性の姿だけだった事に、
男ばかりの異常な世界・・・と書いている。
私が初めてインドへ行った1997年でさえ、
街中には男性ばかりで、ほとんど女性はいなかった。
女性はむやみに人前に出てはいけないのだ。
これより40年も前の事だから、
本当に男性ばかりだったのであろう。
そして公用語が14~220もある事に驚き、
言語が違う事で1つの国家とはいえ、
思考形式が違う事に驚かれている。
デカン高原にあるエローラ石窟の石柱を
何気なく叩いてしまった時、
洞窟に響き渡るこだまに「諸行無常の感」を感じたそうだ。
生と死、断絶と持続、絶対と相対、衆生と仏陀、
これはみな本質的には同一のものだ・・・と。
これである・・・。
私も初めてインドを訪れた時、
生きる事と死ぬ事は同じなんだ・・・と思った。
この堀田氏の本を読んで、椎名氏が何故全くかけ離れた内容の
自分の著書に似たようなタイトルをつけたのかが
理解できない私であった。
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