◆小沢一郎元代表は、野田佳彦首相を批判しているのか。単に注意を促しているだけなのか?
小沢一郎元代表の演説をよく分析してみると、一見批判しているようでいて、実は、注意を促して、民主党政権の崩壊を必死で防ごうとしていることに気づく、
たとえば、その1つが、「消費税増税」路線に対する「反消費税増税」の力説である。自由党党首時代から元々「消費税増税論者」だ。しかも、「消費税10%論者」だったはずの小沢一郎元代表が、いまなぜ「反対論」と言うのか。その理由は、極めて簡単である。日本経済がいまにように悪くならないうちなら、「消費税アップ」は可能だうろうが、景気が落ち込んでいる時は、かえって景気をますます悪くする危険がある。首吊り状態の人の足をワザと引っ張るようなものであるからだ。国民の大多数は、理不尽な「消費税増税」に反対している。衆院議員の任期満了(2013年8月29日)がだんだんと迫り、それまでに衆院解散・総選挙が断行されれば、民主党は現有勢力(292議席)を維持することは難しくなる。わずか49議席を減らしただけでも、過半数(議員定数480として241)を割り、政権を失う。小沢一郎元代表は、事態がこうなることを大変心配しているのだ。
◆ところが、野田佳彦首相は、財務省の勝栄二郎事務次官の強い意向を受けてか、あるいは、自分自身の固い信念からか、「消費税増税路線」というどう見ても「自殺」への道を真っしぐらに突き進んでいるように、小沢一郎の目には見える。
そこで、小沢一郎元代表は、野田佳彦首相の信念を尊重し、決して倒閣を口に出すことなく、その一方で「民主党政権を堅持するための方途」の1つとして、「消費税増税反対」の姿勢を示し、総選挙での議席減を予測して、これを補う方法を懸命に模索しているのである。
実は、野田佳彦首相は、政権樹立の恩人である。小沢一郎元代表の気持ちを十分承知している。それが故に、小沢一郎元代表の側近中の側近である山岡賢次前国家公安委員長と一川保夫前防衛相をかばい続けてきた。また、今回はかなり呆れながらも田中直紀防衛相も守ろうとしているとも言える。
◆読売新聞が2月3日付朝刊「政治面」(4面)で報じたところによると、小沢一郎元代表は2月2日、国会内で開かれた自らが会長を務める「新しい政策研究会」で行った講演会のなかで、日米同盟について以下のように話したという。
「日本がきちんと自立していないところに最大の問題がある。TPP(環太平洋経済連携協定)であれ、沖縄の(米軍基地)問題であれ、同盟という名にふさわしい関係であれば、みんな心配しない。しかし、『結局、米国の言いなりになるのではないか』との思いが不安や心配を駆り立てている」
この発言を野田佳彦政権の外交方針をけん制したものとられると、読売新聞は説明しているが、これは「けん制」でも「批判」でもない。「注意を促している」にすぎないのである。いわば、「老婆心」というところだ。
また、読売新聞は、同じ紙面で、「小沢元代表をけん制 仙谷氏」という見出しをつけて次のように書いている。
「民主党の仙谷由人政調会長代行は2日、CS放送番組の収録で、小沢一郎元代表が野田政権への批判を強めていることに関連し、『(自由党が分裂した)1993年型の政局を、あえて作ろうとすることは、小沢さんはしないと思う』と述べ、小沢グループをけん制した。橋下徹大阪市長らを軸に『第3極』の結果を図ろうとする動きについては『英雄待望論みたいなもので、この時代を乗り越えていけるのか』と疑問を呈した」
この仙谷由人政調会長代行の見解は、まったくトンチンカンである。野田佳彦首相は、自分を裏切った仙谷由人政調会長代行を極力退けようとしてきた。小沢一郎元代表が、野田佳彦首相を批判しているという受け取り方は、まったく違っている。小沢一郎元代表が橋下徹市長と手を結ぼうとしているのは、民主党が過半数割れしたとき、連立政権を作って政権維持を図ろうとしているのであって、「自民党分裂の1993年型の政局」を作ろうとしているのとは、全然違うのである。仙谷由人政調会長代行は実に「いやらしい男」なのだ。この発想でもって、野田佳彦首相の歓心を買い、ヨリを戻そうとしている「低意」がミエミエである。
平成24年2月17日(金)第2回板垣英憲『勉強会』開催のご案内※「昼の部」は定員となりました。ありがとうございます。「夜の部」はまだ余裕がございます。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
田中直紀防衛相が真部朗局長「更迭処分」を見送ったのは、「内部告発」を受け、事件が防衛省上層部に波及し、組織ぐるみの「国家公務員法違反」の大事件となるのを恐れたからだ ◆〔特別情報①〕
田中直紀防衛相は2月3日、「引き続き調査を行う」として沖縄防衛局の真部朗局長の処分を当分見送ったという。真部朗局長が沖縄県宜野湾市長選挙(2月5日告示)への投票を呼びかける講話をした問題で、田中直紀防衛相は、当初、真部朗局長を事情聴取した後に「更迭処分しろ」と事務当局に命じていた。
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