新型肺炎「エーロゾル感染」の可能性 病原体空気漂う全文
北京=高田正幸
<time style="font-size: 12.8px; padding: 0px; margin: 0px;" datetime="2020-02-19T21:06+09:00">2020年2月19日 21時06分</time>中国の国家衛生健康委員会は19日、新型肺炎の診療ガイドラインの改訂版を発表し、空気を漂う飛沫(ひまつ)核を通じて感染する「エーロゾル(エアロゾル)感染」の可能性を初めて認めた。せきやくしゃみを通じた飛沫(ひまつ)感染や接触感染と比べ、より広範囲に感染する可能性があるという。
同委は19日に公表した新たなガイドラインで、「比較的密閉した環境下で長時間高濃度のエーロゾルにさらされた場合、感染の可能性がある」と指摘した。
これまでの同委のガイドラインは、主な感染経路として飛沫感染と接触感染を挙げていた。
同委によると、エーロゾル感染は飛沫に含まれる水分が失われ、病原体を含む飛沫核が空中を漂うことによって感染を引き起こす。
エーロゾル感染について、上海市が8日の会見で主な感染ルートの一つと指摘したが、中国疾病予防コントロールセンターの専門家は「明確な証拠に欠けている」と懐疑的な見方を示していた。
日本エアロゾル学会によると、エーロゾルとは気体中に漂うごく小さい液体や固体の粒子のこと。できかたの違いにより、粉じんやミストなどとも呼ばれる。(北京=高田正幸)
新型肺炎に関して,中国政府が正式に「エアロゾル感染(エーロゾル感染)」の可能性を認めました。ただ,この「エアロゾル感染」については検索しても,いまいちなんのことわかりません。
そこで今回は,「エアロゾル感染」について本当に簡単にではありますが,まとめてみたいと思います。
エアロゾル感染とは
エアロゾル感染とは,エアロゾルを介して感染していく経路のことですが,検索などをしてもあまり情報は多く出てきませんし,これだけだと何のことやらわかりません。
そもそもエアロゾル(aerosol)とは何かということは,日本エアロゾル学会のHPに詳しい説明が掲載されています。要するに「気体中に浮遊している微小な液体または固体の粒子」ということのようです。生成過程によって,粉塵やミストなどとも呼ばれます。
飛沫よりは軽いけれど,空気よりは重いという認識でいいと思います。
空気感染との違いはなにか
このエアロゾル感染は空気感染と混同してしまいがちですが,別のものと考えておいた方が良さそうです。空気感染のように長期間・広範囲に感染が拡大するものではなく,「病院内のような限定空間において空気感染のように広がるもの」と考えておけばいいかもしれません。日常生活の中でどうこうというより,病院内や部屋の中などの閉鎖空間で感染者の治療にあたる医療従事者にとってより注意すべき事態なのだろうと思います。
有効な対策とは
ウイルスが空気中に浮遊する期間は,空気感染が「長期間・広範囲」なのに対して,エアロゾル感染は「(空気感染より)短期間・限定的範囲」ということです。対策としては,まず換気をすることがとても重要だと思います。
まとめ
エアロゾル感染(エーロゾル感染)について,簡単にまとめてみましたがいかがだったでしょうか。人間は未知のものに対して必要以上に恐怖を感じてしまうものですから,適切な知識を得て冷静に対処したいものですね。
飛沫感染・空気感染・エアロゾル感染の違いについては,以前ブログで書いたこちらの記事をご覧ください。