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袖ヶ浦放射能疑惑構造<本澤二郎の「日本の風景」(4301)
<命を守る公務員不在の地方の腐敗体質露呈か>
12月20日は、久しぶりの現場取材に興奮してしまった。昔のことが蘇ってきた。このあたりのダンプ公害というと、騒音と振動・粉塵・過積載・速度違反であるが、環境庁の森美秀長官や、衆院環境委員会の八田貞義委員長(いずれも当時)に現場を視察してもらい、それを活字にした。しばらくは収まるが、また始まる。公明党議員に国会での質問を依頼したが、実現寸前に具体化しなかった。やくざの脅しに屈したのだ。浜田幸一というやくざ代議士の利権であることが、後に判明した。やくざに弱い千葉県警は、昔からである。
信用できない公明党は、今回でも証明された。命を軽視する公明党である。もう一つある。今回の問題の場所である袖ヶ浦市に、農薬大手企業が進出するという、これまた深刻な事態が生じた。共産党議員までが賛成していたが、地元保守系市議の直訴に応えて、東京タイムズで繰り返し批判を加えて、これを阻止した。「農薬が河川に流れ出すと飲み水にも悪影響が出る」という命を守るための報道だった。
そして今回は、超猛毒の放射能が、河川や水道水に流れだすと、もはや打つ手は無くなる。人間の健康は維持できない。わかっていて、なぜフクシマの汚染土壌を埋めたのか!人間の行為を飛び越えている。そのことに同市の担当者は、分かっていない。「森林法違反だけだ」と会場でうそぶいた。
「悪徳業者の手口を知っていながら、地元住民の前では真実を言わないで嘘をつく」と一緒に同行してくれた反安倍・反原発の市民運動家・仲村正昭さんらが見事にえぐってくれた。
彼は「公務員の雇い主は納税者」と叫んで、警察の不正を監視する警察正常化協議会の大河原宗平元警部補、さらに群馬の行政監視人・オンブズマンの小川賢さんともども、埼玉県から早朝、車で駆け付けてくれた。
役人の嘘や、誤魔化しの手口を熟知している彼らだ。地元住民を騙せても、彼らプロは騙せない。もう一人の助っ人も参加してくれた。青木愛参院議員の日景省吾秘書で、彼も警察や役人のいい加減な手口を見抜ける人物だ。
<産廃業者と市・県のみっともない対応に唖然とする市民の味方>
地元住民と支援者、県と市の関係者を合わせると、ざっと70人近い参加者によって、袖ヶ浦放射能問題初めての住民集会が、午後1時30分から暗くなるまで、続けられた。
関係者の中には、信じられないことだが、産廃業者よりの発言も見られた。そのはずで、不法投棄は8年前のことだ。市の関係者を懐柔する時間はたっぷりあったのだから。
「産廃は不可欠だ」と口走った老人は、問題の場所が水源地であるということ、しかも、そこから高い放射能が検知されたという事実について頬かむりしていた。「若いモノはどうでもよい」という感覚らしい。民度の低さは、問題の山林所有者の中に、元同市の環境部長もいた。小役人の貪欲さに呆れるが、本人は住民の健康について無関心なのか。
信じがたいやり取りに呆れてしまい、暗くなる前に現場を見ようと、会場を抜け出した。問題の、まるで城郭のような10メートル近い盛土を見学した。周囲には養鶏場や酪農家が、そしておためごかしのソーラーも設置されていた。
堅固な盛土というと、誰しもが熱海の崩落現場を思い出すが、埋め固められた問題個所を、深くボーリングしての検査は、素人には無理だ。国や県の応援が必要ではないか。しかも、完璧な公正な調査でなければならない。「サンプルはすり替えられる」「会社を倒産させる」という手口についての不安を乗り越えねばならない。
風雨に晒された盛土にもはや、ゴミやチリがあるのか、よくわからない。既に地下水となって河川や畑の作物、あるいは飲料水を汚染していないだろうか。林地区区長代理の御園豊・同市選管委員長は「周辺住民13戸のうち、7戸でガンが見つかり、中には亡くなっている家もある」との仰天する調査を明らかにした。
<姿を見せた保守系市議と共産党市議、公明党市議は逃げた!>
主催者に確認してみると、この房総半島はおろか、日本列島の重大事に対する袖ヶ浦市議会の無様な対応が露見した。
発言したかどうか確認できなかったが、保守系の自民党市議3人、それに12月市議会で質問しなかった共産党市議が一人参加したらしい。
最近スキャンダルをまき散らしている公明党市議は、とうとう姿を現さなかった。市民の命・千葉県民の命が脅かされている重大疑惑を前に、逃げ回る同党の対応に、改めて失望してしまった。
先の総選挙では、共産党の候補と比例に投票した筆者は、同党の腰の引けた対応にも呆れてしまう。市民の代表のいない袖ヶ浦市なのか。泣けてくるではないか。
<ソーラー設置で開発行為、そのあとに会社転がし、産廃業者でぼろ儲け>
今回の取材で学んだことは、産廃悪徳業者は事業を成功させるために、まずソーラー設備を進めるという条件で地元住民を説得する。実際は空手形である。本命は莫大な利益を上げる産廃だ。そして311以後は、フクシマの放射能汚染土の埋めて、その上を普通の産廃土壌で埋め立てて、地元住民を欺く作戦だ。
彼らの奥の手は、会社をくるくる回して住民の目をくらます策略である。ワコーという会社もその手を使って、住民を騙している。
ご存知、東北復興予算は膨大である。特に除染費用は半端ではなく、ゼネコンや東電などはやくざを使って、危険な作業をさせている。ゼネコンとやくざ人脈は、全国のやくざ産廃業者とリンクしている。
必然的にフクシマの汚染土壌は、民度の低い、凹凸のある産廃敵地の房総半島を標的にすることになろうか。既に君津市に1万トン以上のフクシマのそれが埋まっている。小櫃川の放射能汚染は確実であろう。水耕も飲み水もダメとなると、木更津市民も健康に生きられない。むろん、袖ヶ浦市・君津市・富津市も、である。水源地ゆえ、鴨川や館山にも放射能は水脈で結ばれている。森田健作の罪は大きい。
<貪欲さ随一のやくざ系産廃業者大暴走ビジネスに屈するなかれ!>
人間の貪欲さは無限だという。やくざはそうだろうが、役人もまたそうである。住民・市民のために命を張れる警察員は、目下のところ見受けられない。
安倍晋三の大暴走は、地域をも巻き込んでいるかのようだ。産廃業者への監視、特に水源地での産廃場は、20日の林地区公会堂周辺でも見受けられた。県警は監視すれば、放射能汚染残土を食い止めることが出来るが、今の警察庁長官の中村格という悪党には無理だろう。
帰りがけ「木更津レイプ殺人事件」の被害者の、かつての瀟洒な住宅を大河原さんに見聞してもらった。日景さんからは「健康被害が出ているという報告に衝撃を受けた」との感想が寄せられた。この日の司会進行役・吉村区長にご苦労さんと声をかけねばならるまい。
2021年12月21日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)