なぜならば福島原発事故は天災とともに人災であり、その人災を
起こした者こそが既存の支配体制の総ぐるみであったからだ。
だから福島原発事故の解決はそれまでの権力構造の外にあった者
たちの手で行うほかはない、と。
それから一年ほど経っていまその事が証明されつつある。
ついに米国が事故直後の米国の対応を示す内部議事録を一方的に
公表した。
メディアはその背景にある米国の意図について何の調査も検証も
しようとしないが、これは米国の物凄い意思表示なのである。
菅・野田政権の原発事故対応に対するこれ以上ない批判である。
時を同じくして政府の事故調査・検証委員会なるものが海外の専門
家を招いて国際会議を開いた。
その場で外国の専門家たちが極めて強い口調で日本政府の対応を
非難した。
畑村委員長は他人事のようにこれらの声を最終報告書に反映する
などととぼけ顔だが(2月26日日経)、問われているのは何の検証
もできない畑村政府調査・検証委員会なのである。
日本政府がなすべきことはただ一つである。
それは福島県民をはじめとした国民の代表による真相究明委員会を
国の責任で立ち上げて、当時の責任者全員から真実を語らせ、それを
政府の福島原発事故調査・検証報告書として内外に公表し、二度と
このような事故を起こさないという決意を示す事だ。
それは模擬裁判のように当時の責任者の法的責任を問う事を目的と
するものではない。
真実を正直に語らせることによって正しい調査・検証を行い、正し
い記録を後世に残し、その反省に立って正しい今後の政策をつくる事
を目的とするものだ。
真実を述べる事と引き換えに法的な責任は問わないといういわば
司法取引だ。
法的には責任を問われなくても政治的責任は明らかにされる。
それで十分である。
そのことによってこれからのエネルギー政策も、東電国有化
問題も電力料金値上げ問題もおのずから正しい方向で解決する。
福島原発事故を国民の手で正しく調査・検証し、その責任を所在を
明確にして再びそのあやまちをくりかえさない事を誓う。
それこそが我々があの太平洋戦争終結の際になし得なかった事だ。
日本の戦後の民主化が不徹底に終わり今日の混迷を招いてしまった
原因だ。
その過ちを我々は再び繰り返してはならない。
了
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従属から の自立、平和外交、判官びいきの視点から、メディア
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お知らせ
私はインターネットを通じて日本の権力構造を変えていく事を
呼びかけ、それをどうしたら実現できるかについて有料のメール
マガジンの中で読者とともに具体的検討に入りました。
これからの政治は間違いなくこれまで経験したことのない混迷
に入ります。
私がかねてから言ってきた既存の政治の全否定の段階に突入
します。
既存の政治の枠組みの中で動こうとしている橋下「維新の会」
の動きでさえも、日本の政治を正しく解決することはできない
でしょう。そのことが早晩明らかになるでしょう。
これからはインターネットを通じてつなぎ合う無名のもの
たちの声なき声こそが政治を動かす時代になるのです。
それを証明してみせるという動きです。
日本を変えるにはそれしかありません。
参加しませんか。皆が主役です。