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清和会秘話8<本澤二郎の「日本の風景」(4623)
2022/11/13 10:591
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清和会秘話8<本澤二郎の「日本の風景」(4623)
<戦争を風化させると判断しA級戦犯の岸内閣に抵抗した稲葉修>より、転載させて頂きました。
「TBSが統一教会取材では一番頑張っている。山口敬之強姦魔事件の汚名挽回なのか。こちらはまだTBSとしては、ケジメをつけていないが」との声が届いた。「ワシントンの統一教会と機関紙ワシントン・タイムズの報道ぶりも伝えてほしい」とのリクエストも。
山際大志郎と萩生田光一の自民党統一教会の主役たちも注目を集めているが、萩生田追及はまだ甘い。依然として、岸―福田―安倍のカルト教団・統一教会の太いパイプは、まだ闇の中ではないか。福田康夫と達夫父子の証言もまだ国民に届いていない。いえることは、まだ自民党統一教会の深すぎる関係は、まだ入り口にも立っていない。事態の深刻さを、ほとんどの国民と報道関係者は理解していないらしい。その穴を埋めるための「清和会秘話」の連載なのだが。
本日はロッキード事件当時の法相として、本丸の児玉誉士夫と中曾根康弘を助け、田中角栄逮捕をした稲葉修に登場してもらう。
まずは懐かしい思い出が先行する。昼時に国会事務所を訪ねると、夫人が鎌倉の自宅で用意してきた弁当を、何度かおすそ分けしてもらったものだ。物おじしない夫人の弁当を平らげると、主はソファーに毛布を掛けて昼寝をするのが日課だった。二人の秘書は、中央大学法学部OB。後継者となった長男・大和もそうだし、次女の感じのいい、いつもじっとしていない娘もそうだから、稲葉事務所は中大一色だった。彼女は大和が代議士になると、事務所を一人でやりくりしていた。それにしても、家族総出の健康弁当はお見事だった。
憲法問題では、護憲リベラルの筆者と主の間で9条問題で火花が散った。稲葉は「カンヌキをかけるので戦争はさせないから心配するな」と押し切ろうとするが、むろん当方は納得しない。いま思うと、実に懐かしい。
<再び学徒出陣の可能性が、岸の孫のもとで大軍拡戦争体制>
そんな稲葉が、自主憲法を叫び、統一教会国際勝共連合にも同じ主張をさせるA級戦犯の岸の正体を見抜いていたらしい。反岸勢力として真っ向から抵抗していたことを知って、その理由を糺した。「戦争責任を風化させる。二度と同じ悲劇をさせてはならない。わしは何人もの教え子を学徒出陣で殺してしまった。戦争には断固反対だ。岸信介を総理にすることは、戦争責任を風化させ、再び同じ愚を繰り返す」と元教師として断固たる口調で語った。
憲法教授らしい回答には、大いに納得した。彼の不安は、岸内閣から半世紀経った安倍時代において的中した。NHKを先頭に新聞テレビが安倍改憲論をがんがん報道したものだから、リベラルな国民を偏狭なナショナリズムの渦に巻き込んでいる。
稲葉の懸念は、その通りとなってしまった。危機到来の日本は、再び戦争の準備を公然と始めている。軍事費を二倍に増やす、敵基地攻撃能力をつけると核武装目前の態勢へと大きく踏み出している。森・小泉・安倍の時代の大軍拡を、宏池会の岸田も踏襲しているためだ。
閣内も党内も岸がまいた統一教会の清和会が、自民党の権力中枢を握っている。ここにきて岸田の孤立無縁ぶりが際立っている。岸田が杖とも頼む相談役の麻生太郎は、安倍と瓜二つだ。祖父の吉田茂の政治信条は皆無の、いい加減な学習院OBで知られている。
<稲葉の実兄・圭亮が「岸との関係はご法度」と厳命していた!>
岸の正体をいち早く見抜いていた人物がいた。稲葉修の実兄・圭亮。彼は岸と同じころ、東京帝国大学の国粋主義者の上杉慎吉の門下生だった。極右の七生社という団体を結成した堅物で知られた。卒業すると大陸に渡った。帰国して間もなく、1942年の翼賛選挙で当選すると、大政翼賛会政調会商工委員に就任するが、敗戦の1945年に公職を追放された。
圭亮は中大教授の実弟・修を後継者にした。その時の条件は「決して岸と席を同じくするな」と厳命していた。岸の変幻自在の悪役ぶりを、おそらく商工委員をしていて商工大臣の岸の正体を見抜いた可能性がある。あるいは上杉門下生時代に何かを知ったものか。この稲葉家の秘密を教えてくれたのは、稲葉事務所の中大後輩の秘書だった。圭亮がいち早く国賊の岸を暴いた秘密は何だったのか。おそらく修の長男・大和は聞いたかもしれない。
聞いてあきれるような国粋主義だったかもしれない。1975年に圭亮は亡くなっている。余談だが、修の次女によると、新潟県村上市の稲葉家は、古くは藩医だった。家訓は「医者は病気を治せない。病気になるな、というのが家訓でした」と語っていた。
<歴史の教訓を学ばせない文科省教育に取り組んだ岸―福田―安倍>
「戦争責任の風化」は、戦犯右翼内閣だけではなく、右翼閣僚による教育行政分野で進行した。このことに政治記者も国民も報道関係者も関心が薄かった。猛省するばかりだ。以前は文部省だったが、今は原子力の科技庁も合流して、文科省になった。歴史の教訓を薄めるための方策は、文科省による学校教育で「教えない」、あるいは「歴史の改ざん・捏造」にあった。
言及するまでもなく、歴史教科書の検定で抑え込むことが毎年の行事となった。そうして近現代史を教えない歴史教育が、戦後ずっと続いてきた。教科書検定について新聞は報道したが、議会での追及がほとんどなかった、と記憶している。右翼大臣と右傾化した官僚によって、歴史を知らない日本人が大量に生まれた。その被害者は、既に80代以上にも及んでいる。
近年の文科大臣を眺めると、田中真紀子や林芳正は普通だったが、町村信孝、中山成彬、渡海紀三郎、塩野谷、下村博文、馳浩、松野博一、柴山昌彦、萩生田光一、末松信介、永山桂子は右翼的もしくは極め付きの極右議員である。安倍晋三の体質にぴったりの国会議員ポストである。
末松は統一教会との関係が深い。極右・日本会議のメンバーだ。まともとみられる柴山にしても、夫婦別姓や同性婚などでは統一教会路線を踏襲している。総裁選での安倍推薦議員としても知られた。
安倍亡きあとの清和会のまとめ役の塩谷や下村、松野、萩生田は、清和会を代表する右翼議員だ。目下の大臣である永岡は、天皇教育の学習院大学OBで、麻生の後輩だから、統一教会解散に消極的で知られる。
日本の教育は、総じて右翼議員が大臣を歴任することによって、国民が気が付いたら「歴史を知らない日本人ばかり」となってしまった。岸・笹川・文鮮明の極右路線が浸透していることが証明できるだろう。教育と同時に防衛省も、国家主義・国粋主義の清和会勢力によって、大軍拡による戦争体制が定着しつつある。
追随する平和の公明党創価学会が、安倍内閣のもとで「戦争党」に変身してしまい、国民の不安は増大する一方である。稲葉の予見は、見事なくらい開花している。むろん、毒花である。男子をもつ家庭に不安と不信がのしかかっている。ロシアの家庭の悲劇が現実になることも予想される今である。
2022年11月13日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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