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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

11月の観劇を振り返る(前編)

2006年11月28日 | 鑑賞
 今月は、今日現在で12作品(13観劇)となっている。
 月あたまの1-4日の4daysで3本に始まり、2週3週は4本ずつ*と「仕事してるのか!」ペースで見まくったが、その反動か(?)、さすがに先週は1本に留まった。
 
*正確には第3週はジャブジャブサーキットを2回観劇

 11/3付ブログで「くろいぬパレード」と「東京ハートブレイカーズ」については触れた。
 今月の収穫はまず「演劇集団楽天団プロデュース」の『クッキーズ・テーブル』(作・演出/ウェズリー・イノック、翻訳/佐和田敬司・園田容子、芸術監督/和田喜夫)。東中野レパートリーシアターKAZEにて。
 
 豪州のアボリジニ(先住民)の、五代に渡る家族の系譜の話。
 6年間の日豪の交流から生まれた作品で、日本が初演になるという。そういえば、弊団も、中国との交流の中から日本初演となった作品があった(幸せの日々)。閑話休題。
 登場人物の一人ネイサンが政府の対日の仕事をしているなどというくすぐりもあるが、何と言ってもタイトル通り、ネイサンから数えると四代前の一族・クッキーが大切にしていたテーブルを巡っての、骨太の物語。

 アボリジニものは何本か観たが、話の運びが実が良く、ベテラン大方斐紗子氏の素晴らしい演技と相まって、強く心に響いた!

 一皮剥けたと思わせたのは「桟敷童子」。
 ベニサンピットを大胆に使ったセットがまず爽快だった『海猫街』(作/サジキドウジ、演出/東憲司、美術/塵芥)は、板垣-池下の二枚看板の交流を軸に、様々な登場人物にそれぞれの物語があって、少々散漫なのがキズだったが、今回は二人を離して配置。
 先発池下-抑え板垣の様相で、序盤、海女のイサナ(板垣)はやや控えめ。
 獄崎家の次男・龍次(池下重大)は、まず静瑠(川原洋子)を従えて斬り込み隊長を務めると、やがて、長男・軍次(原口健太郎)と拮抗。そこには兄の妻・茜(もりちえ)への想いが重なる・・・。
 また、三男信次(桑原勝行)とイサナの妹ナヨリ(中井理恵)は中盤で追加点を挙げ、ゲームを盛り上げる。
 勿論、本当に野球をやってる芝居じゃないデス。
 
 日露戦争勝利後の日本のはずれ、断崖絶壁に囲まれた港、通称「海猫街」に政府関連の調査が入り、貧しい街が「あわよくば」と沸き立つ。
 視察隊、海賊の末裔(嶽崎)、蔑まされている海女たち。。。それぞれの思いが、断崖の下、荒れ狂う海のようにうねり狂う!
 これが、あらすじ。

 で、まさにうねり狂う大スペクタクルで観客をグングン飲み込んで行くのだが、最後に、龍次とイサナが「俺が行く! 必ず戻って来る!」なんて約束しちゃうのは、いくら桟敷の王道とはいえ、余りにアマリに無理矢理すぎます!
 あれさえなければ円『ロンサム・ウエスト』を超えて、僕の中の一等賞になったかも・・・。
 プロローグで、ある女が年老いても男を待ってる場面はあるんだけどさ…。そーゆーことなら、いらなかったよ。
 と苦言は呈しながらも、このところ高まりすぎる(?)期待に、応えきれてない気もしたが、ウン、とにかくすごい舞台でした!!!

 やっぱ今、アングラを引っ張ってるのはここです。
コメント
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