2007年の初演のあと、昨年73ステージ、
今年はこれから80ステージを控える
文学座『殿様と私』
(作/マキノノゾミ、演出/西川信廣)
をやっとこさ観ることができた。
府中の森芸術劇場・ふるさとホールでの
公開舞台稽古(9月9日、17:00開演)
噂にたがわぬ、抜け目ない作品。
新劇らしい安定感のある舞台であった。
秋から冬を、遠見の景色で表現する
美術(奥村泰彦)は美しく、また明快。
そう、作品そのものも明快だった。
明治の世にはなったものの、
子爵・白河義晃は西洋化になじめない。
家令の雛田源右衛門は、まだちょん髷だ。
かたや息子の白河義知は、
ドイツ留学が決まったところ・・・。
ある騒動を逆手にとって、義知は
「鹿鳴館に乗り込み、見事なダンスを披露し
和魂洋才の手本を示すことこそがお家のため」
と、父を説得する。
そしてカートライト夫人を指南役に
「殿様」のダンス修行が始まる・・・。
と、ここまで書けば。
あっ、タイの王様と英国人家庭教師の
対立と和解を描いた『王様と私』ってのが
昔あったぞ!と、気づく方も。
あるいは、鳳蘭と松平健で、
健さんが禿げヅラつけたミュージカルが
あったなあ……なんて記憶のある方も。
何にせよ、意識した作品であることは確か。
ただ殿様と夫人に友情は芽生えますが、
ロマンスはなし。
かわりに足の悪い娘・白河雪絵の
初恋を絡めた成長譚が涙をそそります。
長くなりましたが。
そんな話が、本当に丁寧に描かれます。
芝居は小難しくて嫌いって御仁には
演劇への入口にもなる舞台だな、とも。
今年はこれから80ステージを控える
文学座『殿様と私』
(作/マキノノゾミ、演出/西川信廣)
をやっとこさ観ることができた。
府中の森芸術劇場・ふるさとホールでの
公開舞台稽古(9月9日、17:00開演)
噂にたがわぬ、抜け目ない作品。
新劇らしい安定感のある舞台であった。
秋から冬を、遠見の景色で表現する
美術(奥村泰彦)は美しく、また明快。
そう、作品そのものも明快だった。
明治の世にはなったものの、
子爵・白河義晃は西洋化になじめない。
家令の雛田源右衛門は、まだちょん髷だ。
かたや息子の白河義知は、
ドイツ留学が決まったところ・・・。
ある騒動を逆手にとって、義知は
「鹿鳴館に乗り込み、見事なダンスを披露し
和魂洋才の手本を示すことこそがお家のため」
と、父を説得する。
そしてカートライト夫人を指南役に
「殿様」のダンス修行が始まる・・・。
と、ここまで書けば。
あっ、タイの王様と英国人家庭教師の
対立と和解を描いた『王様と私』ってのが
昔あったぞ!と、気づく方も。
あるいは、鳳蘭と松平健で、
健さんが禿げヅラつけたミュージカルが
あったなあ……なんて記憶のある方も。
何にせよ、意識した作品であることは確か。
ただ殿様と夫人に友情は芽生えますが、
ロマンスはなし。
かわりに足の悪い娘・白河雪絵の
初恋を絡めた成長譚が涙をそそります。
長くなりましたが。
そんな話が、本当に丁寧に描かれます。
芝居は小難しくて嫌いって御仁には
演劇への入口にもなる舞台だな、とも。