麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

父が廻る日

2011年09月16日 | 鑑賞
主催/文化庁
制作/日本劇団協議会
『父が燃える日』
作/古川貴義、演出/磯村純

とにかく舞台がぐるぐる廻ります。
これが単なる遊びでなく、
ちゃあ~んと時間経過だったり
登場人物の側面、はたまた
演劇的な仕掛けのために作用します。

ちなみに「廻る」のは、
物理的に「盆」と言われる
舞台装置として実際に回転するのと、
その効果+繊細な演出により
芝居が「転がっていく」という
二つの意味の「廻る」です。

磯村演出の特性は「空気感」
それがこの作品でも炸裂しまくり

正直、戯曲はもう少し整理できたかな、
と個人的には思ったけど、
そこに存在する役者が
(当たり前ですが)役の人物として
しっかり舞台にいることで、
欠点を補って余り合うのです。

なかなか文字で説明しずらいのですが
二時間を超えるのが気にならない
舞台です。
非常に計算されていながら、
観客にはそれを感じさせない
エンターテインメントに仕上がってます。

タイトルは『父が燃える日』。
でも、言うほど父は燃えないのが
唯一残念だったけど。
役者一人ひとりが皆立っていて、
美術の根来美咲が最高の仕事をしてます
音響も細やかで、照明は渋い。

19日まで。青年座劇場にて。
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