麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

莞爾、喜んでにっこり笑う。

2020年04月22日 | 制作公演関連
石原莞爾。
1889年生、1949年没。
「帝国陸軍の異端児」との異名を持つ
日本の陸軍軍人。関東軍作戦参謀として、
柳条湖事件、満州事変を実質指揮したとされる。

と、確かに日本史で習った
なので、イメージは「悪い人」だ。

俳優座は今年度のラインナップのひとつに、
二・二六事件を扱う予定である。
石原はその時、反乱軍の鎮圧に当たった。

軍中枢部の将校のほとんどが反乱軍により
登庁を阻止された中、統制派、皇道派の
どちらにも属さない自称「満州派」の石原を
反乱軍が敵か味方か判断できず、
本部に入れたことが鎮圧の起因となった。

この件でいえばクーデターを止めた「良い人」。

・・・作家や演出、役者には及ばないまでも
制作も作品に関連する周辺を学ぶ。
当然だが、今日はそれとは少し別の話。

巣籠生活で読んでいた小説のなかに、
【莞爾と笑う】という一文があって、
「莞爾」には「にっこり」とルビが振られていた。
ムムムとググッてみたら、blogタイトルの
〈莞爾とは、喜んでにっこり笑う様子〉や
〈形容動詞。にっこりとほほえむさま〉と。

恥ずかしながら、そんな意味があるとは
知らずに今日まで生きてきた。

軍服を着た石原莞爾の印象は
幼ごころに「怖い人」と刻み込まれている。
まさか真逆の意味が、としばし茫然。

我を取り戻してまず思ったのは、
山形県鶴岡市で産声をあげた我が子に
両親はどんな思いで命名したのか、と。
そして次に「軍事の偉才」と謂われた彼も
得意の「毒舌」を四六時中吐いていた
・・・わけではなく笑うこともあった筈で
実際に茶目っ気の逸話も残っている。

俳優座公演『血のように真っ赤な夕陽』
(2019年上演)は満州が舞台だった。
が、満蒙開拓団を主に描いたので
石原は劇中に登場していない。
勿論、彼は満州において影響力大であり、
少し詳しく言えば、ある時期からは力を失い、
最終的に挫折して終わっている。

という話も枝葉。



名前と実際の人物のギャップ、
同じ人物の善悪や喜怒哀楽などなど
多面性を当たり前と知っているはずなのに、
つい、小さな自分の眼鏡の内に納めたがる性
(なのか業なのか、はたまたもっと科学的なこと)
を、巣籠生活で再確認する毎日……は嘘だな……
再確認を珠にしたりする、と綴る4月下旬。

そう、昨日は母の誕生日。喜寿を迎えたのだった。

コメント
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