書棚整理中に 息子が学生の頃 使っていたと思われる「小倉百人一首」(解説本)が目に止まり
ページを捲ったところ、懐かしくなってしまい、「ミイラ取りがミイラに」。結局 廃棄処分出来ず、座右の書になっているが、今更になって 「へー!、そうなんだ」、目から鱗が落ちている爺さんである。
小倉百人一首で春を詠んだ歌 その9
もろともに あはれと思へ山桜
花よりほかに 知る人もなし
出典
金葉集(巻九)
歌番号
66
作者
前大僧正行尊
歌意
私がおまえのことを心なつかしく思うように
おまえもいっしょに 私をしみじみとなつかしく思っておくれ、
山桜よ、このような山奥では 桜の花のおまえよりほかに
わたしの心を知ってくれる者もいないのだから。
「もろともに」・・一緒に、お互いに の意。
「あはれ」・・しみじみと心にしみてなつかしい の意。
「花」・・山桜のこと、
注釈
「金葉集」の詞書(ことばがき)には
「大峰(おおみね・奈良県吉野郡にある修験者の道場)にて
おもひをかけずさくらの花咲きたりけるをみてよめる」とある。
「花」を「人」に見立てて呼びかける擬人法。
大峰入りした作者が 険しい自然の中で見出した可憐な山桜の美に
無限に懐かしさを感じてしまい、孤独に徹しようとしながらも
人恋しさという僧侶として邪念の感情を捨て切れず、
せつなく訴える歌になっている。
前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)
参議源基平の子、
12歳で三井寺に入り、17歳から諸国を遍歴、
天台座主から大僧正に叙せられた。
山伏修験の行者として有名で
白河天皇、鳥羽天皇、崇徳天皇 三大の天皇の護持僧となった。
参照・引用
「小倉百人一首」解説本(文英堂)
(とりあえず おわり)
書棚整理中に
息子が学生の頃 使っていたと思われる
「小倉百人一首」(解説本)が目に止まり
ページを捲ったところ、懐かしくなってしまい、
「ミイラ取りがミイラに」。
結局 廃棄処分出来ず、座右の書になっているが、
今更になって 「へー!、そうなんだ」、
目から鱗が落ちている爺さんである。