最近の早朝散歩(ウオーキング)の途中で撮った、
民家の庭先等のバラ(薔薇)の写真、
バラが見頃の季節になっている。
毎度、花の写真をやたら撮って帰ってくるが、その度にふっと思い浮かぶフレーズがある。
「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」だ。
今更になってネットで調べてみると
「放浪記」の著者、林芙美子が 生前 色紙等に好んで書いていた言葉、と言うか 五七五調の詩であるという。
ただ、その言葉、詩は 彼女の作品や著作物には見当たらず 出典については 長年明らかでなかったようだ。
近年になって 彼女と親交のあった村岡花子に贈られた詩の中の1節であることが判明したようで、その全文も公開されている。
風も吹くなり
雲も光るなり
生きてゐる幸福(しあわせ)は
波間の鴎のごとく
漂渺とただよひ
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私も知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり
それによると「苦しきことのみ多かりき」で 終わっていない。
「苦しきことのみ多かりき」では ただ苦労するだけの暗い人生という感じだが、
「苦しきことのみ多かれど、風も吹くなり、雲も光るなり」と 続いていることで、
苦しいことも多いけれど 風も吹き、雲も光り、波間の鴎のような幸せが漂っている・・・
という やや前向きな意味の言葉、詩になっていることが分かる。
目から鱗である。
(ネットから拝借)
林芙美子