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藤原緋沙子著 「花野」

2025年02月20日 11時24分07秒 | 読書記

図書館から借りていた、藤原緋沙子著 「花野」(廣済堂文庫)を、読み終えた。
本書は、著者の長編時代小説、「隅田川御用帳(すみだがわごようちょう)シリーズ」第16弾の作品で、「第一話 花野」「第二話 雪の朝」の、連作短編2篇が収録されている。
「隅田川御用帳シリーズ」は、縁切り寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」の女主人お登勢(おとせに雇われた、元築山藩藩士の浪人塙十四郎(はなわじゅうしろうが、「慶光寺」の寺役人近藤金吾や、橘屋の番頭藤七(とうしち等と共に、縁切りを求めて「橘屋」に駆け込んでくるいろいろな女達の様々な事情を探り、絡み合う悪事や謎を解明、愛憎乱れる 女と男の深い闇を、人情と剣とで見事に解決していく、悲喜こもごもの物語である。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。


「第一話 花野」
▢主な登場人物
 亀蔵・おしな、辰蔵(鬼辰)、
 和助・おふき
 倉島市兵衛・おたね・お菊、市之助
 権蔵・おとり、金作、
 山田甚五郎、弥次郎、桑田格之進、
 福沢宗周・伊与、
 佐倉藤十郎(同心)、喜多蔵(岡っ引き)、半次(下っぴき)、
▢あらすじ等
 慶光寺に駆け込んできたおしなを追ってやってきた亭主亀蔵が、畳職人が使いこんだ
 糸切り包丁を掴み出し、「おめえを殺して俺も死ぬ!」、

 一方で、「切られた縁を元に戻してほしい」と駆け込んできたのは、元上総国長谷村名主
 倉島市兵衛の下男和助の女房おふき、

 珍しい駆け込みに戸惑うお登勢十四郎だったが、どちらも放置出来ない二人、
 真相探索に乗り出すと、その背後には、上総国幕領を巡る事件の影がちらつき出し、
 楽翁の命を受けて、十四郎と喜多蔵が上総国へ・・・。

   楽翁は、十四郎の話を聞き終えると、ふっと笑って
   「そなたは、長谷村では、八州さまと呼ばれていたらしいな」
   からかうような目で十四郎を見た。
   「それは、なりゆきで、勝手に村人たちが・・・」
   十四郎は、内心驚きながら、しどろもどろ言い訳を始めると、

  「いいのだ。そのお蔭で一気に、なぜ長谷村の名主が島流しになのか分かったのだ」
 
「第二話 雪の朝」
▢主な登場人物
 多七・おみか、
 林蔵、伝治、
 若松屋利左衛門、丹沢与八郎、
 楽翁、深井輝馬、桑名五郎、
 古賀小一郎、梅之助、
 加島屋宗兵衛(加島恒元)、
▢あらすじ等、
 浪人丹沢与八郎に襲われていた呉服問屋加島屋宗兵衛を、通りがかった近藤金吾と千草が
 救うところから物語が始まるが、慶光寺に駆け込んできたおみかとその亭主多七の
 離縁問題探索していく内、その二人の郷里、越後国秋山藩の藩内事情が浮かび上がってくる。

 本篇の終盤には、長らく恋仲だった十四郎とお登勢が、楽翁の命により、急遽、仮祝言を上げ、
 晴れて夫婦となるが、それが、あたかも出征兵士の如くで、

  「万が一旅先で不測の事態が生じた時、いかが処置されるのでしょうか」
  「捨て置きとなる」
  楽翁はさらりと言った。
 元筆頭老中松平定信・楽翁から、厳しい命を受けて、楽翁の隠密として、越後国秋山藩に
 侵入する十四郎。

 果たして、生還出来るのであろうか。
 なんとなく、平岩弓枝著「御宿かわせみ」の、るいと神林東吾の関係を思い浮かべて
 しまったが・・・・・。


(つづく)


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