百人一首で「秋」を詠んだ歌 その13
ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
からくれなゐに 水くくるとは
出典 古今集(巻五)
歌番号
17
作者
在原業平朝臣(ありはらのなりひらあそん)
歌意
遠い神代の昔にも聞いていない(ほどだ)、
龍田川の水面が 散った紅葉により、
美しい唐紅色のくくり染めに見えるのは。
注釈
「ちはやぶる」・・「神」にかかる枕詞、
「神代」・・神の時代、「不思議な現象が多かった時代」を
思わせている、
「龍田川(たったがわ)」・・奈良県生駒郡を流れる川で
紅葉の名所、
「からくれなゐ」・・濃い赤色、真紅、唐から伝来の紅の意、
美しさを褒める言葉、
「水くくるとは」・・「くくる(括る)」とは しぼり染めにすること、
「聞かず」へ続く倒置法、
古今集の詞書には、
屏風に描かれていた龍田川の紅葉の絵を
題として詠んだ歌だと書かれており、
理知を働かせて誇張的に歌ったものとされている。
在原業平朝臣
阿保親王の第5子で、在原の姓を賜わった人物、
「伊勢物語」の主人公に擬せられている多情多感な美男貴族、
右近衛権中将(うこんえのごんのちゅうじょう)に任じられ、
「在五中将」とも呼ばれた。
「六歌仙」の一人。
美男子と言われた業平に因んだ川柳
千早ぶる神代にもないいい男
参照・引用
小町谷照彦著 文英堂「小倉百人一首」
コメントいただき有難うございます。
>千早ぶる神代にもないいい男
やっぱり川柳っていいですね。
笑いが生れるから心も明るくなります。
さて、外へお仕事に(^^♪