小倉百人一首で「夏」を詠んだ歌 その2
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
ただ 有明の月ぞ残れる
出典 千載集(巻三)
歌番号
81
作者
後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん)(藤原実定)
右大臣藤原公能の子、藤原定家とは従兄弟の関係、
祖父が 徳大寺左大臣実能だったことで
区別するため 後徳大寺(ごとくだいじ)・・と呼ばれた。
歌意
待ちにまっていたほととぎすの鳴き声を聞いて
その方角を眺めてみると
ほととぎすの姿はすでになく
有明の月だけが残っていることよ。
注釈
「ほととぎす」・・時鳥、郭公、杜鵑、子規、不如帰等とも書く。
夏の鳥で、明け方早く鳴く鳥として知られている。
「有明の月」・・夜が開ける頃まだ空に残っている月
ほととぎす(ホトトギス、時鳥、郭公、杜鵑、子規、不如帰)
在住地周辺の山裾や雑木林等からも この時期 よく聞こえてくるホトトギスの鳴き声、
ウグイスの鳴き声、ガビチョウの鳴き声と並べて お気に入り鳴き声のひとつにしている程だが、残念なことに、まだ一度も その姿を見たことが無い。
夏山登山をしていた頃には、早朝、登山口付近の樹林帯で 静寂を破り響き渡るほととぎすの鳴き声を聞き、気分が高揚したような気がする。
鳴き声に特徴が有り、誰にでも 「アッ!、ホトトギスだ!」と 分かる。
早口言葉の「トッキョキョカキョク(特許許可局)」、「テッペンカケタカ」等の ききなしが有る。
ホトトギスの鳴き声 (YouTubeから共有)