古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

蚊      椎名誠

2020-10-11 09:29:29 | 小説の紹介

新潮文庫       昭和59年

 

その昔、21:00からのテレビで黒の絨毯という

 

映画をやっていた。これは、いわゆるアリである。

 

アリが大量に発生してしまってたまらん、というや

 

つである。ヒッチコックの鳥というのもあった。こ

 

れは鳥が大量に発生してしまってあれしてしまうって

 

いうあれである。やたらにあれが多いんである。

 

蚊は蚊が大量に発生してしまう、という意表を突いた

 

作品だ、短いのだが、オチがないのも特徴だ。じゃあ、

 

とりあえず、終わっちゃうよっていうね。ちょっと

 

残念と言うか、ワンアイデアで乗り切ってしまった、

 

というか。

 

山田の犬は、電車の中の犬について語った、何回か読んだ

 

ことのあるような話しだった。

 

ボクが一番気に入ったのは冒頭の一発目、真実の焼きうどん

 

、ね。デテールにまで気が配られていて、実に洒脱でパンク

 

だ。狂気というものが描かれていて、実にユカイ、ユカイ、

 

な作品である。

 

若いひとに、ぜひ読んでほしいと思う作品集である。ぐわし

 

……合掌。

コメント
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