新潮文庫 平成15年
明治の時代に二度座礁して、無人島に生きながらえた
十六人の物語を力強く、ほがらかに描いた痛快な作品。
明治の男はつよいなあ、と感心する。その昔の日本人
は、たくましい。
生きるってことがうまい、というとヘンに聞こえるか
もしれないけれど、生きるということをしているのが、
つねに不安になってくる現代だ。
だからって、ボクは冒険して、無人島で暮らさなければ
ならなくなるのはイヤだけど。平凡な毎日こそが、ボクに
とって、冒険にみちみちているように感じるってことは、
スリリングに生きているってことか。っていっても、
フツー(フツーってなんだ?)に暮らしているだけなんだ
けど。ボクは退屈したことはないな、幸運なことに、ぐわし
……合掌。