朝日新聞出版 2019年
何年かたっていると思ったが、まだ一年前の
話しだった。第161回芥川賞を受賞した作
品がこれである。
文学ってものの懐の深さがわかる。文学では
いかようにも受け手によって作品が違ってく
るし、評価も違ってくる。それでいいだろう。
それこそが文学なのだ。
読んでいる途中は、どうもこれは、と思って
いたが、読後感はおもしろいにかわっていた。
読みやすいし(実際、改行が多い)、文章に
リズムがあるので、とんとんとんという感じ
で読み進めてしまい、気づいたら読み終わっ
ていた。といっても、古本で手に入れたのだ
が、読まれてはいなかった事実がイタイが。
買うことはするが、読むには至らなかった
本ということか、でも、僕はおもしろかっ
たけどね、僕はね、ぐわし……合掌。