古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

果物地獄    直木三十五

2022-11-12 10:17:56 | 本の紹介

「もの食う話」所収   「新青年」昭和8年3月

 

直木氏の作品は初めて、拝読した。ユーモアがあって、スケール

 

の大きな人を感じさせる。マンゴー地獄とは、すごい表現だな。

 

ビン詰めを下に行くにしたがい、うまくなって全部食べてしまう。

 

六円五十銭。一か月で百九十五円、と計算する直木氏。

 

一晩、二三切れならいいだろう、ともうひとビン買ってくる。しかし、

 

子供が食べてしまっている。もうひとビン買ってきて、一日一切れ食

 

べよう、子供にも一切れしか食うな、と言い渡す。オレンヂを食うが

 

オレンヂはマンゴーじゃないし、甘酒を飲んでも、これもマンゴー

 

じゃない、阿片とはこんなものか、と思ってゐる、って、マンゴー

 

を阿片と同等に考えるのもどうかと思うが、それくらいマンゴーに

 

夢中になっている。ドリアンも食うと夢中になるのが怖いので、手を

 

出さないそうだ。

 

日本でマンゴーが育つなら、僕はマンゴー屋になる、と結んでいる。

 

でも、マンゴー屋、流行らないと思うよ、チーン。

 

       (読了日 2022年10・21 12:25)

 

コメント
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