「もの食う話」所収 「あまカラ」昭和30年6月
この「もの食う話」のトリをとる小品はすき焼きである。
ニューヨークでその当時、すき焼きをやらかそうという
んだからタイヘンだ。肉の切り方が、まず、だめで、
あっちは薄切りという概念がなかったらしい。
肉の塊をポンと出してきて、ステーキくらいの厚さ
に切ってみせて、おどけてみせる。それじゃあ、だめだ、
というと、槌をだしてきて、それで肉を叩いていく、
薄切り状のものはできたが、電熱コンロがうまくない、
といろいろタイヘンだったらしい。
昭和30年か、今でさえ、アメリカ人はすき焼きくらい
知っているのではないか、と思うが。
そういや、何年もすき焼きくってねえな、チーン。
(読了日 2022年10・22 11:20)