「死ぬのによい日だ」所収。
芸人が恥ずかしいのがネタを説明されることだという。
このエッセイではネタを思いっきり説明してしまっている。
死にたくなる落語家の気持ち、死ぬにはよい日を選んでい
ただきたい。
ぼくは高校の時、初めてチチに生の落語を見せてもらって
それから、浅草にも何度か見に行った。その当時のぼくは
あまり笑わなかった、と思う。
今でも日本の話芸(Eテレ)を見ても、くすっとも笑わない。
面白くないわけではないのだが、感心しているのだ。
はなしをこうつつがなく語ってゆく噺家に、よくしゃべる人だ、
とうーん、と心で唸っているのであった。
(2022年12・11 21:47)