講談社文庫 1988年
後年、長編「水域」に結実する前の短編バージョン。
様々なエピソードの断片が垣間見えるが、全貌はぼくも
読んだが、とてつもなくおもしろかった。
この短編バージョンも見どころがたくさんある。
主人公「私」の影のある感じ、不思議な魅力のあるキャラ
クターたち。そして、こまごまとした奥目背曲虫、や、
メダマガエシ、ヤマナラシ、泥根魚などのサブキャラ。
いやーこれは楽しい世界観だ。まったくの創造的空間
が拡がっている。SFの真骨頂だ。
これでSFに目覚めるひとも多いと思うのだ。ぼくも
そのひとりである。
(読了日 2023年1・10(火)14:25)