僕は誰も信じることができない
信じるに足る根拠もないし、理由もなく
真実を知りたければ、ドアを叩けばいい
誰かの心はそれで開かれる?
ボクは荒野でひとり、求めている
ドアを探し、理由を探す
どこにもボクの求めるものはない
頭の中にしか追い求めているものは
存在していないのだから………………
「奇妙な味の小説」所収。
と、短編小説を16編収めた、この「奇妙な味の
小説」をみていこうという趣向なのだが、みっつ
めがこの「さかだち」。
柴田錬三郎と言えば、眠狂四郎シリーズだが、これは
それとはまったく違う、徴兵の赤紙の来た男が、死ぬ
のが怖くて、山に逃げ込みそこのホテル、いや、旅館
か、で女がいいものを見せてあげるから、兵に行きなさい
と言ってさかだちするっていう話し。それで、この女は
次の日、自殺してしまう。これは全くの虚構、作り話らしい
が、さかだちして、パラッと下肢が見えてしまうっていうのも
エロいね、いや、この人、エロいわ。
(読了日 2024年8・25(日)22:30)
(鶴岡 卓哉)