中公文庫
開高氏らしい文体で攻めて来る。二重壁とは
のぞき鏡なるもので、そこでは、人は何をし
ているのかをのぞかれているらしい。とても
詩的なので、一読すると、よく分からないし
文体に慣れていないと読み辛いかもしれない。
戦争で、慰安婦と関係を持ち、病気をもらった
男が、子供を作ることを拒み続け、会社で上役
の人の娘と結婚したものの、うだつの上がらない
潔癖症。全くの創作だと思うが、ぼくは開高氏の
こういった作品は未読だったので、おもしろく
読ませていただいた。とても良かった。
(読了日 2024年9・2(月)22:37)
(鶴岡 卓哉)