河出書房新社 2017年
これはきっと掌編小説集というのではないだろうか。
奇妙な作風のオリジナリティのある作品が並ぶ。
このひとの名前は他の作家さんの作品のなかで幾度か
拝見して、一度読んでみたかった。よくわからないものも
あったが、掌編小説だという認識がなく、読み始めたので
えっ、これで終わり? という感じだった。
けっこう楽しく読めた。心に残ったのは、ウォーターメロン
ガーデンとヌードルを奪う猫たち。
ヌードルを奪う猫たちは、誰もいなくなった世界で、動く気
配がして、見ると、猫たちが温かなスパゲッティだかパスタだ
かを奪うように飢えた猫たちがいる、という。
非常出口とは非日常への入り口のことかもしれない。……合掌。
グルメなわしにうまいものを食わせろ! しけた煎餅なんか、もうイヤじゃ。手焼きの醤油の風味の利いたバリッとした煎餅を食わせろ! あっ、わし、歯が悪いんじゃった。
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