Chapter13
はなはだ醜い顔の男と出会い、二年後、その男は奇妙な
話をする。私も昔は美男だったが、夢の中で醜男と取り
換えてくれ、と言われ交換したのだ、と。そして、私も
この醜い男に顔を交換せよ、と夢の中で迫られる、とい
う話。
10年ほど前になるが、総菜屋でバイトしていたのだが、
そこに恐ろしく変わった面構えの男が入ってきたことが
ある。50年生きてきたが、あんなヘンな顔に会ったのは
初めてだった。その男は性格も少々狂っているところが
あって、難儀したが、そんなに悪い男というわけでもな
さそうだった。けど、あの男も結婚もできなくて、可哀そ
うだったなあ。自分ではできないんじゃない、しないんだと
いい張っていたが、それがとても痛かったなあ。......合掌。
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