古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

報酬   フィリップ・K・ディック

2021-02-02 04:24:05 | 小説の紹介

浅倉久志・訳   「ディック傑作集1」所収。

 

二年間、機械の整備工として働き、その間の記憶は消される。

 

契約を終えたジェニングスはいくつかのがらくたを現金のかわ

 

りに受け取る。そのがらくたどもを武器にレスリックという

 

会社のタイム・スクープというかつて自分が関わっていた

 

装置についてせまっていく。社会は管理社会の末期でサンクチ

 

ュアリは会社にしかない世界。タイム・スクープを開発してい

 

ることがバレると、警察機構に会社を取り上げられ、潰されて

 

しまう、というのを傘に、ジェニングスはレスリックを脅そう

 

とするが、がらくたはかつての自分がタイム・スクープでみて、

 

必要だと思ったものたちで、次々とピースがはまっていく。

 

ケリーという女性が手助けしてくれる。これはネタバレだが

 

レスリックの社長の娘はケリーだった。最後、証拠をケリーに

 

預けておいたのだが、父にいずれ返すからあなたの力にはなれ

 

ない、というケリーの前で預かり証の半券はぽっかりと空いた

 

穴からかぎ爪に奪い取られ、身内だけの会社だというレスリックを前に

 

ケリーに求婚して終わる。

 

カラッとしていて、楽しい短編だ。冒険活劇を読んでいるような

 

楽しさがった。……合掌。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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