大森望・訳 「ディック傑作集1」所収。 ハヤカワ文庫。
前にどこかで読んだことがあるのを思い出した。オルハムという
男になりすましているアンドロイドを追うピーターズ。何度も逃
げられて、オルハムは自分はオルハムだと信じ込んでいる。森で火
事があった、と妻からきいたのをおもいだして、そこに宇宙船が不
時着して、アンドロイドは死んだ、とおもったと、ピーターズは
おもいつめ、その宇宙船の中に死体を見つけ、ネタバレになるが、
オルハムはオルハムじゃなかった。暗号で爆発するという爆弾は最後
に爆発し、「その爆発は、遠くアルファ・ケンタウリからも見えた」
チャンチャン。
SFのいいところは、そのストーリーに読んでいる間、自分を埋没させる
ことができる点だ、いや、SF、じゃないな、P・Kだからこそ、行間に
自分を追うことができるのだ。……合掌。
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