「おいしいおはなし」所収。
小野正夫という人をぼくはしらなかったのだが、本業は
デザイナーらしい。もう亡くなられているだろう1928
年に生まれておられる。
5P弱の小品。十分ちょっとで読めてしまったが、戦時中の
おはなしであり、本人は玉子好きらしい。戦火に焼かれそうに
なった家に100個近い玉子があって、それをカメの中に笊
に乗せて沈めておいた。翌日、焼け出された家に隅に山に
なった茹玉子だけが残されていて、歩き回った末に食べた
玉子、大層おいしかったという。いや、なんか沁みますよ。
最後のチチのセリフ、「そりゃそうだろう。家一軒焼いて
茹でた玉子だもの。美味しくない訳はないよ」とおあとが
よろしいようで。
(読了日 2022年11・30 15:20)
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