古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

大往生     永六輔

2021-12-16 02:43:47 | 本の紹介

岩波新書     1994年

 

1994年の大ベストセラー、一周回って、忘れたり、知らない方も

 

いらっしゃるんではなかろうか。

 

名言の数々が、市井の人たちによって語られているのを集めている。

 

その言葉は、おもしろい、といっちゃ、失礼かもしれないが、実に

 

おもしろい。死はおもしろいのかもしれない。

 

ぼくも死ぬならおもしろく死にたい。涙に暮れるのはイヤだ、という

 

一方、小中高生の400余人の自殺者が言葉なき反抗となって、ぼく

 

らに教えているだろう。なんで、彼ら、彼女らは若くして死ななくては

 

ならなかったか。死というものが、分からなくなっているんじゃない

 

のかとも思う。死や、老い、は隠しておくという文化が、今になって、

 

じわじわと我々を苦しめてくるのではないか。一旦、死というものの

 

意味を考えてみるのもいいのではないか、そこから、生というものも、

 

見えてくるかもしれないから。……合掌。

 


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