古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

火星の運河        江戸川乱歩

2016-02-11 13:45:21 | 小説の紹介
乱歩のアンソロジー、エッセイ集。




第一部……乱歩地獄。うつし世はゆめ、よるの夢はまこと。



鏡の恐怖、他。第二部……懐かしき悪夢……人形への偏執



恐怖を感じるもの、ことを描く。第三部……ホラーへの誘



い……透明の恐怖、他第四部……怪談入門探偵小説と怪談


のつながりから入る。



スリラーに関して、乱歩と言う人は、研究に研究を重ねて


いた。だから、百髪鬼のようなおもしろい作品を生み出せ


たのだと納得した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さよなら渓谷        吉田修一

2016-02-10 11:46:33 | 小説の紹介
平成20年六月。




桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。実母の立花里美が容疑者




に浮かぶが……。隣りの家の尾崎俊介と肉体関係があったと証言



、内縁の妻かなこも認める。しかし、俊介とかなこは、レイプ事


件の加害者と被害者だったことから……。このレイプ事件を軸に



ストーリーは展開していく。興味の尽きない、息をもつかせぬ展



開に読んでいても飽きが来ません。さすが、吉田修一さん、おも



しろかったです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計じかけのオレンジ    アントニイ・バージェス

2016-02-09 10:31:56 | 小説の紹介
乾  信一郎・訳    早川書房。



映画の原作。十五歳のアレックスが調暴力と言われる、老人を暴行したり




家に侵入して、暴力をふるったり。そして、とうとうドルーグ(仲間)に




裏切られ老女を殺したこところをミリセント(警察)につかまってしまう。




教化法のに選ばれ、更生させられる。それは。暴力をみせられるルドビコ法



というものなのだが……。



不良とは、若い時にかかるはしかのようなものと言うことが結論らしい。




それと、もうひとつ、この小説では暴力を通して真の人間の在り方を教えてい


る。本当の姿とは何か?人間らしさとは?監視社会の恐ろしさとは?……。



あなたはどう読み解きますか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽文カフェのお知らせ!

2016-02-07 12:45:50 | カフェ、ギャラリー
今日は、13:30から楽文カフェの日です。



十名以上集まる予定ですが、まだ空きは有ります。


ヲシテ文字に関しての、自由闊達な意見交換が行われることでしょう。



ヲシテだけではなく、一般教養の情報交換の場としても、利用されて



いる方もおられますよ。



いずれにせよ、新たな脳の刺激を求めている方は、ぜひお越しいただ


きたいと思います。



今日はベベさんは来られないので、皆さんで作っていく回です。どうぞ



よろしくお願いします。



参加費用    1000円(コーヒー、おつまみ付き)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西瓜糖の日々   リチャード・ブローディガン

2016-02-07 12:15:08 | 小説の紹介
1964年  藤本和子・訳  河出書房



西瓜糖で出来た家や橋の世界で、彼女のポーリーンやマーガレットのことを




描いた小説。短い章で構成され、三部構成になっている。「アイデス」とい


う住んでいる世界と狂しくなってしまうかもしれない謎めいた世界「忘れら



れた世界」を行ききし、インボイルという悪党が奇怪な死を遂げてしまう。


この「アイデス」と言う世界は天国のような世界なのだろう。でも、そこは



裏の世界と紙一重で危うく成り立っているのだ。



世界が安住の地であり得ることなんてないのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

十八歳、海へ    中上健次

2016-02-07 05:48:55 | 小説の紹介
集英社文庫。



1、十八歳 2、JAZZ 3.隆男と美津子 4、愛のような 他



中上氏十八歳からの詩的抒情溢れる作品集。彼の精子への執着性への


妄念、ギリシア神話、などが詰め込まれ、万華鏡のような言葉の連な



りが波のように来る文章。文学を志した青年の想いは十分伝わってく



る、妄念に満ちた作品集。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水たまり      希木谷瞬吉

2016-02-06 14:54:09 | 小説の紹介
「水たまり





完全な清らかさなど必要ない




川の流れに逆らって泳いでいるような



包帯の中に隠していた。カステラ



参っちゃったよ、君が涙を流すから




分かったよ、僕が走ってゆくから



自然に消えていくだろう、水たまり



簡単にできた歌うたうよ



救急車が通り過ぎて、不吉



まだ始まったばかり、僕の何かは




始まったばかりなんだ……!


                     (2015   11・23)」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ずばり東京       開高健

2016-02-06 10:56:32 | 小説の紹介
1963年~64年      文春文庫。



そして、開高先生はこのあと、ヴェトナムのルポをお書きになり




釣りに関しての紀行物を書いてゆくことになる。すべてのルポの




出発点が、この本書ということになる。その時代には、その時代



にしかわからない温度というものがあると思うが、そういうもの



をうまく切りとった作業であったと思われる。今も昔も、東京は





巨大なモンスターシティなのだろう。





それにしても、今でも、雲古は海に捨てているのだろうか?。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒鳥譚・青髯公の城    中井秀夫

2016-02-05 10:30:43 | 小説の紹介
講談社文庫。



黒鳥譚は、夢のような錯綜感があり、死というものが常にある。



肉体からの解脱を望んでいるように感ずる。とても興味深く読んだ。




青髯公の城は、避暑地での若者と若妻との一風変わった乞う物語だ。



鏡の向こう側がモチーフになっていて、危うい恋が巧みに描かれる。



もう一遍、死者の誘い、所収されている。毒草研究者と言う一風変



わった物語で、自死がモチーフにっている。



中井秀夫氏の作品には、昏迷感と言うか、不安感というような恥とか、



手の届かない感情を描くのが巧みな作家と言う感じがした。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

斜陽   太宰治

2016-02-04 10:25:14 | 小説の紹介
1947年



革命はおちることから始まるのだ。人と革命と恋のために




生まれてきたのだ。かず子は貴族からおちて、おちた作家





(札付きの不良)に恋い焦がれ、おちていく。母は、おち





て別荘で病に倒れて、貴族のまま死んでいく。直治はおち




ることができずに、貴族として死んでいった(自殺)。お




ちた作家M.C.はおち続け、闘い続ける。この作品の登場





人物は皆苦悩している。思い悩み、斜陽と言う状況を胸に



闘う、あるいは、散ってゆくのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする