映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ジャンパー

2008年12月16日 | 映画(さ行)
ジャンパー (特別編) [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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世界が舞台の鬼ごっこ
                 * * * * * * * *

この作品は、公開時みたいとは思っていたのですが、
どうも評判がいまいちだったようなので、見ないで済ませてしまいました。
それで、このたびようやく見ましたが、悪いというほどでもなかったと思います。
主人公デビッドは高校生の時凍った川へ落ち、
死の寸前に図書館へ瞬間移動を体験する。
瞬時に空間を移動、すなわちジャンプする能力が実は自分にあったのだと、
はじめてその時気付くのですね。
以来、その能力をフルに活用し、銀行の金庫からお金を失敬し、
世界中を駆け回り散歩する、気ままでリッチな生活。

このジャンプの瞬間の映像がなかなかいいです。
着地もまさに、「ジャンプ」してきました、というように
勢いがついていて急には止まれないという感じ。
この映像と音は、やはり映画館で見るべきだったと思わせられます。

こういう能力はちょっとあこがれますね。
ドラえもんの”どこでもドア”は最もほしいアイテムの一つだったんですが、
これはそのドアも必要ないですもんね。
世界中あっという間にどこへでもいけてしまう。

しかし、デビッドはその能力を生かして、ヒーローになったりしないんです。
ただ、自由に暮らすだけ・・・。
お金は盗んだものだし。
(ただし、本人は借りたと思っている。)
そこらへんが、どうなのよって気もしますが・・・。

しかし、そううまい話はないのです。
こういう能力をもった人物は他にもいて、
しかも、そのジャンパーたちを付けねらい抹殺しようとしている「パラディン」という組織まである。
この、秘かな戦いは中世の昔から続いているという・・・。
とうとう、デビッドの存在をかぎつけられ、
彼もまた、パラディンに追われる身となってしまいます。
めまぐるしいジャンプの連続は、ちょっと見ていても何がなんだかわからなくなってきますが・・・。

結局この作品は、ほとんどこの追いかけっこに終始して終わってしまいます。
言ってみればここまでがマエフリの話で、
本当のストーリーはここから始まる、とでもいうような、そんな一編でした。

でも、一つ。
デビッドの母親は彼が5歳の時に家を出てしまっていて、
それがデビッドのトラウマとなっていました。
なぜ、5歳の息子を置いて母が出て行ってしまったのか。
その謎が明かされます。
まあ、伏線といえるのはそれくらい。
いろいろ理屈抜きでこのスタイリッシュなジャンプの映像を楽しんでね・・・と、
そういう作品と割り切れば悪くはないです。
ヘイデン・クリステンセンもかっこいいですし・・・。

2008/アメリカ/88分
監督:ダグ・リーマン
出演:ヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン、ジェイミー・ベル、ダイアン・レイン