映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

陰日向に咲く

2008年12月26日 | 映画(か行)
陰日向に咲く 通常版 [DVD]

VAP,INC(VAP)(D)

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滑稽でちょっと悲しい人生模様                       

                     * * * * * * * *

劇団ひとり原作ですね。
ここには何人かの登場人物が中心になって、
それぞれのドラマが進行していきます。
東京の片隅。
どれもちょっとうらぶれた、さえない人々・・・。

ギャンブル好きのシンヤ(岡田准一)は借金まみれで、
借金取りから返金を迫られ、苦し紛れにオレオレ詐欺をしようと電話をかける。
電話をかけた先の老女は本当に自分の息子だと思い込み、
話すうち奇妙な交流が始まる。

母が若い頃に憧れ、一緒に漫才を組んでいた芸人(伊藤淳史)を
探そうとする娘(宮崎あおい)。

落ちぶれてがけっぷちのアイドルを応援する、オタク青年(塚本高史)。

モーゼという大法螺吹きのホームレス(西田敏行)にあこがれ、
家族と世間を捨て、ホームレスになろうとする中年男性(三浦友和)。

これらバラバラの人々が、あるときに糸でつながるんですね。
その大詰めの日は台風が東京を直撃した日。
この辺の収束の仕方がとても面白いのですが、
映画としてはちょっと盛り上がりに欠ける感じでした。
さて、ところでこの中に、同一人物の若い頃と老後を演じている二人がいます。
誰と誰でしょう・・・?
ウソ~と、思っちゃうんですけどね。
ともあれ、滑稽でちょっと悲しい人生模様。
じんわりきます。

岡田准一君はいいですね。
「花よりもなほ」も良かったですが、これでますますファンになりました。
イケメンだけど、かっこよすぎなくてちょっと情けない役、というあたりがなんとも。
オレオレ詐欺の相手に同情してしまうというのもまた、
情けなくもあり、お人よしでもあり・・・。
所詮犯罪には向きません。

2008年/日本/129分
監督:平川雄一朗
出演:岡田准一、宮崎あおい、伊藤淳史、西田敏行、三浦友和