無敵のアドベンチャーヒーローが挑むもの
* * * * * * * *
この作品、予告編を見たときから注目していました。
ブレンダン・フレイザーにハリソン・フォード!!
こ、これは、ハムナプトラにインディ・ジョーンズじゃありませんか!!!
この無敵のアドベンチャーヒーローが2人がかりで挑むもの。
それは医薬業界。そしてポンペ病。
これは実話を元にしたストーリーです。
ジョン(ブレンダン・フレイザー)とアイリーン夫妻には3人の子供がいますが、
そのうち2人がポンペ病という難病です。
この病気は遺伝によるものなので、兄弟で起こってしまうことも多いのですね。
先日読んだ「ジーン・ワルツ」を思い出します。
私たちの細胞が分裂するとき、
遺伝子のコピーをほんのひとつでも間違えばどこかに異常が発生する。
この病気も、ほんの少しのコピーミスで生じたものなのかも知れません。
体の中の糖(グリコーゲン)をうまく分解することができず、
筋肉にたまってしまう。
そのため筋力が次第に衰えていって、
手足が動かせないばかりか呼吸さえもできなくなってしまう。
この病気の発生後の平均寿命は9年といいます。
未だ決定的な治療方法がないので、
ジョンはこの病気についていろいろと調べるうちに、ひとつの研究に行き当たります。
それが薬学者ストーンヒル博士(ハリソン・フォード)の研究。
ジョンは博士を訪ね、協力を求めるのです。
しかし、この博士が全くの学者馬鹿といいますか、
研究一筋なのはいいけれど、
人との協調性など全く持ち合わせていない。
そこがやっかいなところです。
2人はポンペ病の治療薬を開発するために、
バイオテクノロジーのベンチャー企業を興すのですが・・・。
理論を実現するためには、努力だけではダメで、
とにかく先立つもの、つまりお金が必要という、
世知辛く巨大な壁がそびえているのでした・・・。
ジョンと博士は治療薬を作ることが最終目的。
そこはぶれないのです。
だから結局、自分たちの興した会社が大手の製薬会社に吸収されてしまっても良しとする。
そういう潔さはいいですね。
それにしても、このような貴重な薬品を作るのにも企業論理。
当たり前のことなのかも知れませんが、
このような人命に関わることは採算度外視で行われているような妄想を、
私は勝手に抱いていたようです。
果たしてその薬を作って利益が期待できるのか
・・・そこから出発するというのは、なんだかショックです。
インフルエンザのワクチンなら多くの資金をつぎ込んでも絶対に回収できますよね。
けれどこういう症例の少ない病に対しては、二の足を踏むということか・・・。
それが現実なんだというのは、何とも割り切れません。
無敵のヒーローたちは医薬業界の砂漠で悪戦苦闘。
お金や効率を物差しにしてしまってはいけないことが
世の中には確かにあるのだと思います。
ただ、病気でありながら、なけなしの元気で明るくふるまう子供たちには、
救われる思いがしました。
2010年/アメリカ/109分
監督:トム・ボーン
出演:ブレンダン・フレイザー、ハリソン・フォード、ケリー・ラッセル
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この作品、予告編を見たときから注目していました。
ブレンダン・フレイザーにハリソン・フォード!!
こ、これは、ハムナプトラにインディ・ジョーンズじゃありませんか!!!
この無敵のアドベンチャーヒーローが2人がかりで挑むもの。
それは医薬業界。そしてポンペ病。
これは実話を元にしたストーリーです。
ジョン(ブレンダン・フレイザー)とアイリーン夫妻には3人の子供がいますが、
そのうち2人がポンペ病という難病です。
この病気は遺伝によるものなので、兄弟で起こってしまうことも多いのですね。
先日読んだ「ジーン・ワルツ」を思い出します。
私たちの細胞が分裂するとき、
遺伝子のコピーをほんのひとつでも間違えばどこかに異常が発生する。
この病気も、ほんの少しのコピーミスで生じたものなのかも知れません。
体の中の糖(グリコーゲン)をうまく分解することができず、
筋肉にたまってしまう。
そのため筋力が次第に衰えていって、
手足が動かせないばかりか呼吸さえもできなくなってしまう。
この病気の発生後の平均寿命は9年といいます。
未だ決定的な治療方法がないので、
ジョンはこの病気についていろいろと調べるうちに、ひとつの研究に行き当たります。
それが薬学者ストーンヒル博士(ハリソン・フォード)の研究。
ジョンは博士を訪ね、協力を求めるのです。
しかし、この博士が全くの学者馬鹿といいますか、
研究一筋なのはいいけれど、
人との協調性など全く持ち合わせていない。
そこがやっかいなところです。
2人はポンペ病の治療薬を開発するために、
バイオテクノロジーのベンチャー企業を興すのですが・・・。
理論を実現するためには、努力だけではダメで、
とにかく先立つもの、つまりお金が必要という、
世知辛く巨大な壁がそびえているのでした・・・。
ジョンと博士は治療薬を作ることが最終目的。
そこはぶれないのです。
だから結局、自分たちの興した会社が大手の製薬会社に吸収されてしまっても良しとする。
そういう潔さはいいですね。
それにしても、このような貴重な薬品を作るのにも企業論理。
当たり前のことなのかも知れませんが、
このような人命に関わることは採算度外視で行われているような妄想を、
私は勝手に抱いていたようです。
果たしてその薬を作って利益が期待できるのか
・・・そこから出発するというのは、なんだかショックです。
インフルエンザのワクチンなら多くの資金をつぎ込んでも絶対に回収できますよね。
けれどこういう症例の少ない病に対しては、二の足を踏むということか・・・。
それが現実なんだというのは、何とも割り切れません。
無敵のヒーローたちは医薬業界の砂漠で悪戦苦闘。
お金や効率を物差しにしてしまってはいけないことが
世の中には確かにあるのだと思います。
ただ、病気でありながら、なけなしの元気で明るくふるまう子供たちには、
救われる思いがしました。
2010年/アメリカ/109分
監督:トム・ボーン
出演:ブレンダン・フレイザー、ハリソン・フォード、ケリー・ラッセル