映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「信長協奏曲 2」 石井あゆみ 

2011年08月16日 | コミックス
驚きの斉藤道三の出自

信長協奏曲 2 (少年サンデーコミックス)
石井 あゆみ
小学館


            * * * * * * *

さて、2巻目です。この本の表紙がすてきだよね。
表紙を横向きに使っているのが目をひきます。
この巻、サブローがこの時代にタイムスリップして以来、
淡々と時が過ぎるので、後は歴史をたどるだけ・・・と油断していたら、
いきなり虚を突かれるんだよね。
「美濃の蝮」と呼ばれ恐れられている斉藤道三と会見するんだけれど・・・。
斉藤道三は、信長の妻、帰蝶のお父さんだよね。
はい、義理のお父さんということになります。
その岳父と会うというのに、サブローは遅刻したあげく、
冠婚葬祭すべてOKという彼の思い込みで、高校の制服を着ていたりする。
その彼を一目見た道三は・・・!!
驚くべき道三の出自の秘密が明かされます・・・。
ネタ晴らししちゃいたいけど、この意外性は、実際に味わって欲しいので秘密です。
う~ん、そうなのか。
驚きでもあり、切なくもあるところだよね・・・。
まあ、とにかく、信長は道三という心強い後ろだてを得て、ますます勢力を強めていくわけだ。


信長の弟、信之との確執もあるね。
元々嫌われちゃってる・・・とサブローは解っていて、
でも一緒に天下を取るためがんばろう、なんていうんだけれど、
とにかく兄が嫌いな信之は、反抗心をあらわにして結局自滅。
一方、妹もいるよね。
そうそう、ここは今特に重要です。
妹お市、サブロー呼ぶところのおいっちゃんは、お転婆でお兄ちゃん大好き。
いつもサブローにひっついているおしゃまな子。
NHK大河ドラマでもお馴染みなので、うれしい!!


ところで、ふとサブローは考えるのです。
天下を取るって、一体どうすりゃいいんだ?
今さら、それはないでしょ・・・とは思うけれど・・・。
この時代、室町幕府は一応続いていて、
京都に足利義輝が将軍としてちゃんといるんだね。
その将軍という地位は、朝廷によって任命されるわけ。
サブローは何も知らずに、また部下たちから「うつけもの」呼ばわりされちゃうんだけれど、
まあ、この場合私もサブローを笑うことはできません・・・。
よくわかっていなかったかも。
でもね、サブローのすごいのは、じゃあ・・・といきなり思い立って、
部下20人ばかりを連れて京都へ「修学旅行」に行ってしまう。
京都まではよその領地も通らなければならないし、
普通は非常にやっかいなはずなんだけどね・・・。
しかも京都ではアポもなしにいきなり将軍に対面して、刀をもらってきたりする。

変に当時の常識とか概念がないことが逆に幸いとなっているわけだ。
お土産の「生八つ橋」は売ってなかったけどね・・・。
しかしまあ、天下を取るための手続きとか道のりのようなモノは、
何となく見えたではありませんか。
そういうことです。


さて、というところで、いよいよ桶狭間の戦いに突入します。
今川義元との戦いなんだけど・・・。今川勢4万・・・。
例の前巻で出てきた木下藤吉郎が、この今川のスパイで、
信長側の様子を探っていたのだけれど・・・。
彼にもサブローの行動は予測不能。
なーんにも考えていないように見えるサブローだけど、
さすが現代っ子、情報の重要性をよく知っている。
彼はやりますよ!
次の第3巻にも驚きがあります!!

「信長協奏曲 2」 石井あゆみ 小学館 ゲッサン少年サンデーコミックス

満足度★★★★★