別にいーよ。草履はあっためなくて。
* * * * * * * *
ささ、まず冒頭いきなり桶狭間の戦いに突入するのですが・・・。
非常にあっさりですね。
城の皆は信長が籠城するつもりだと勝手に思い込んで、ろくに準備もしていない。
しかし、信長は突如戦闘態勢に入り、今川義元ピンポイントで奇襲戦法。
あっさり勝利。
事が終わってから駆けつけた柴田勝家に
「よく食べて、よく寝て、戦のために力をたくわえておいてねって、いったじゃん。」
「・・・と、申されましたっけ?」
なーんてやりとりがあり、この脱力感がまた、何とも言えずにいいんだなあ。
そうして、信長の次なる目標は美濃。
美濃は道三、義竜と引き継がれて、今は道三の孫に当たる竜興が治めているのだけれど、
こいつはどうにもならないぼんくらなので、つけいる隙はありそう・・・。
サブローは、直接家臣の竹中半兵衛に信長の使いと称して対面し、
この鉄壁の守りを誇る稲葉山城をちょうだい、なんていうのですが、
もちろん、「はい」なんていうわけがない。
ここはやはりまじめに戦略を練って落とさないと・・・。
一方、例の木下藤吉郎・・・。
彼は今川のスパイだったわけですが、いわば彼の失敗によって、今川勢が敗れたんですよね。
そうなんだ。
だから彼は今度はどこぞの配下としてではなく、
個人的にいつか信長を蹴落としてやろうという野心に燃えるわけなのです。
それで、このたびの稲葉山城の攻略にも、
一晩で砦を作り上げるという功をあげ、徐々にのし上がっていく。
そんな少し前の、有名なエピソードがありましたね。
信長が外へ出ようとして草履をはくと、何だか温かい。
さてはおぬし、この上に腰掛けていたな! と藤吉郎を責めると、
藤吉郎は、殿様のために草履を温めていました・・・と、
胸元を広げ、泥でよごれたところを見せる・・・という。
そのシーンがちゃんとあるんだけどね。
実は藤吉郎はホントに、草履の上に腰掛けちゃってる。
サブローは、草履が温いことに気がついて
「まるでついさっきまで誰かがこの上にいたかのような・・・」
藤吉郎は、すかさず温めていました・・・と、いいわけ。
胸元までは見せなかったんだね。
サブローいわく、
「まあ、気が利くのはいいことだけど、別にいーよ、草履はあっためなくて。
外歩いているからね。
何踏んでるかわかんないから、あんま、ふところとかに入れないほうがいいよ。」
と、素っ気ない。
この人は、もし正直に「スミマセン、つい座ってました」といっても
「温まってちょうどよかったよ。アンガトサン」
くらいのこといったかもね。
よい方にも悪い方にも感動が薄いんだけど、
基本的にはすごくまっとうでいい奴だよね、サブローは。
顔もさっぱりとお醤油顔だけど、性格的にもごく淡泊って感じ。
でも時にきっぱりとした決断力と行動力があるので、そういうところが魅力だなあ・・・。
そうこうするうちに、意外にも頭脳戦で信長は美濃を手中にします。
まあ、この人は歴史には全くうといけれど、バカではないんだよね。
そして、なんと巻末でまた意外な人物の登場!
それは第1巻で、はじめの数ページに出てきただけだった本物の信長!!
彼はこれまでのサブロー信長の活躍を見知っていて、何とか力になりたいと申し出る。
おお! この人はもう最後まで出てこないのかと思ってました。
でも、なかなかいい奴じゃないの。
「ここまでご苦労さん」とか言って、いきなりまた立場を入れ替えようとしない辺りが・・・。
そうなんだけどね・・・しかし、問題が。
なんと、彼は今「明智光秀」と名乗っているんだよ~!
さあ、どうなる!?
「信長協奏曲 3」石井あゆみ 小学館 ゲッサン少年サンデーコミックス
満足度★★★★★
![]() | 信長協奏曲 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス) |
石井 あゆみ | |
小学館 |
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あっさり勝利。

「よく食べて、よく寝て、戦のために力をたくわえておいてねって、いったじゃん。」
「・・・と、申されましたっけ?」
なーんてやりとりがあり、この脱力感がまた、何とも言えずにいいんだなあ。

美濃は道三、義竜と引き継がれて、今は道三の孫に当たる竜興が治めているのだけれど、
こいつはどうにもならないぼんくらなので、つけいる隙はありそう・・・。

この鉄壁の守りを誇る稲葉山城をちょうだい、なんていうのですが、
もちろん、「はい」なんていうわけがない。


彼は今川のスパイだったわけですが、いわば彼の失敗によって、今川勢が敗れたんですよね。

だから彼は今度はどこぞの配下としてではなく、
個人的にいつか信長を蹴落としてやろうという野心に燃えるわけなのです。
それで、このたびの稲葉山城の攻略にも、
一晩で砦を作り上げるという功をあげ、徐々にのし上がっていく。

信長が外へ出ようとして草履をはくと、何だか温かい。
さてはおぬし、この上に腰掛けていたな! と藤吉郎を責めると、
藤吉郎は、殿様のために草履を温めていました・・・と、
胸元を広げ、泥でよごれたところを見せる・・・という。

実は藤吉郎はホントに、草履の上に腰掛けちゃってる。
サブローは、草履が温いことに気がついて
「まるでついさっきまで誰かがこの上にいたかのような・・・」



「まあ、気が利くのはいいことだけど、別にいーよ、草履はあっためなくて。
外歩いているからね。
何踏んでるかわかんないから、あんま、ふところとかに入れないほうがいいよ。」
と、素っ気ない。

「温まってちょうどよかったよ。アンガトサン」
くらいのこといったかもね。

基本的にはすごくまっとうでいい奴だよね、サブローは。





それは第1巻で、はじめの数ページに出てきただけだった本物の信長!!
彼はこれまでのサブロー信長の活躍を見知っていて、何とか力になりたいと申し出る。


「ここまでご苦労さん」とか言って、いきなりまた立場を入れ替えようとしない辺りが・・・。

なんと、彼は今「明智光秀」と名乗っているんだよ~!

「信長協奏曲 3」石井あゆみ 小学館 ゲッサン少年サンデーコミックス
満足度★★★★★