今とは違う、そうなるはずだった人生・・・?
* * * * * * * * * *
WOWOW制作のドラマです。
ちょっとオシャレな題名ですが、原作は吉田修一さんなので、油断はできないですね。
うん、まあ、事件性はないけれど、本作は「2つの異なる時間の流れ」をテーマにしているんだね。
平凡なサラリーマンの筒井(西島秀俊)は、
離婚歴があって前夫との間の子供もいる瞳(寺島しのぶ)と結婚します。
それは彼が望んだ結婚で、
彼女を初めて見た時の西島さんの表情というのがすごくステキだったんだよね。
「ああ、ずっと探してた女性が、こんなところにいた。」とでも言うような・・・
本作は、ごく日常に近く、仰々しいセリフなどあまり出てこないから、
表情がものを言うんで・・・、その点でもアピールの大きいシーンでした。
メガネをかけた西島秀俊、というのも結構珍しいね。
私はメガネ男性、きらいじゃないので、これもいいよね~!
筒井は瞳の実家で、彼女のお母さんと妹と同居することになるんだけど、
まあ、平凡だけど満ち足りていて平和。
そんな日常の断片が映しだされていきます。
そんなある春の日、筒井は新宿のバーニーズニューヨークで、
昔の知人と再会するんだね。
若いころ同棲していた男性!
その波乱を予感させる人生の断片から、
その時彼は逃げ出してしまったのだけれど・・・
もしかしたら自分はそのまま突き進んでいたら、
今とは全く違う人生があったのかもしれない
・・・・そんな思いが膨らみ始める。
筒井は修学旅行で行った日光の寺院に置いてきた腕時計を思い出すんだね。
あの時計はあのままずっと、今とは違う時間を刻み続けているのではないか・・・?
今とは違うどこかに、人生の楽園はあるのではないか・・・。
こんな気の抜けたような平凡な毎日ではない、
もっと別の何かを自分は本当は探していたのではないか。
こんな風に思うのは、なにも男性だけではないと思うなあ。
女だってね、毎日家事や育児に追われていたら、
本当の自分はもっと別のところにあるなんて思うよね。
筒井の思いは万人の共感を呼ぶってことかあ。
けど、本作は着地の仕方が無難だよね。
吉田修一だからこうはならないんじゃないか、と思ったけど。
でも納得できるな。これでいいと思う。
いや、こうじゃなきゃダメだよ。
瞳が提案した「狼少年ごっこ」というのがちょっと怖かったよねえ。
夫婦でウソを付き合うってやつだね。
「ウソ」と言ってるのに、ウソでないことを言ってお互いに傷ついてる。
お互い好きあっていて結婚したのに、知らないことばっり。
だけどさ、それはそれでいいんだよ。
どんなに頑張っても自分とは別の人間なんだから。
そんな中でも、自分がいるべき楽園が実はあるって
気づきを得る作品だから、なんかいいよね。
納得できる作品でした~。
「春、バーニーズで」
2006年/日本/120分
監督:市川準
出演:西島秀俊、寺島しのぶ、栗山千明、田口トモロヲ、倍賞美津子
日常性★★★★★
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★★☆
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WOWOW制作のドラマです。
ちょっとオシャレな題名ですが、原作は吉田修一さんなので、油断はできないですね。
うん、まあ、事件性はないけれど、本作は「2つの異なる時間の流れ」をテーマにしているんだね。
平凡なサラリーマンの筒井(西島秀俊)は、
離婚歴があって前夫との間の子供もいる瞳(寺島しのぶ)と結婚します。
それは彼が望んだ結婚で、
彼女を初めて見た時の西島さんの表情というのがすごくステキだったんだよね。
「ああ、ずっと探してた女性が、こんなところにいた。」とでも言うような・・・
本作は、ごく日常に近く、仰々しいセリフなどあまり出てこないから、
表情がものを言うんで・・・、その点でもアピールの大きいシーンでした。
メガネをかけた西島秀俊、というのも結構珍しいね。
私はメガネ男性、きらいじゃないので、これもいいよね~!
筒井は瞳の実家で、彼女のお母さんと妹と同居することになるんだけど、
まあ、平凡だけど満ち足りていて平和。
そんな日常の断片が映しだされていきます。
そんなある春の日、筒井は新宿のバーニーズニューヨークで、
昔の知人と再会するんだね。
若いころ同棲していた男性!
その波乱を予感させる人生の断片から、
その時彼は逃げ出してしまったのだけれど・・・
もしかしたら自分はそのまま突き進んでいたら、
今とは全く違う人生があったのかもしれない
・・・・そんな思いが膨らみ始める。
筒井は修学旅行で行った日光の寺院に置いてきた腕時計を思い出すんだね。
あの時計はあのままずっと、今とは違う時間を刻み続けているのではないか・・・?
今とは違うどこかに、人生の楽園はあるのではないか・・・。
こんな気の抜けたような平凡な毎日ではない、
もっと別の何かを自分は本当は探していたのではないか。
こんな風に思うのは、なにも男性だけではないと思うなあ。
女だってね、毎日家事や育児に追われていたら、
本当の自分はもっと別のところにあるなんて思うよね。
筒井の思いは万人の共感を呼ぶってことかあ。
けど、本作は着地の仕方が無難だよね。
吉田修一だからこうはならないんじゃないか、と思ったけど。
でも納得できるな。これでいいと思う。
いや、こうじゃなきゃダメだよ。
瞳が提案した「狼少年ごっこ」というのがちょっと怖かったよねえ。
夫婦でウソを付き合うってやつだね。
「ウソ」と言ってるのに、ウソでないことを言ってお互いに傷ついてる。
お互い好きあっていて結婚したのに、知らないことばっり。
だけどさ、それはそれでいいんだよ。
どんなに頑張っても自分とは別の人間なんだから。
そんな中でも、自分がいるべき楽園が実はあるって
気づきを得る作品だから、なんかいいよね。
納得できる作品でした~。
春、バーニーズで [DVD] | |
吉田修一 | |
Sony Music Direct |
「春、バーニーズで」
2006年/日本/120分
監督:市川準
出演:西島秀俊、寺島しのぶ、栗山千明、田口トモロヲ、倍賞美津子
日常性★★★★★
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★★☆