映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

L.A.コールドケース

2023年07月28日 | 映画(あ行)

真のヒーローとは

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1997年3月、人気絶頂期のラッパー、ノートリアス・B.I.Jが
何者かによって射殺されるという実際の事件を元にしています。

当時、その捜査を担当した元ロザンゼルス市警の刑事・ラッセル・プール(ジョニー・デップ)は、
事件発生から18年が過ぎた現在も執念深く真相を追い続けていました。

そんなところへ訪ねてきたのは、事件を調査し始めた記者ジャック(フォレスト・ウィテカー)。
2人は反発し合いながらも手を組むようになっていきますが・・・。

ジョニー・デップがおちゃらけ味を封印して、ひたすら真面目で渋く地道な元刑事を演じています。

結局問題なのは、
「白人が黒人を射殺した。悪いのはどちらか?」
という問いにあるとプールは言います。

今もたびたび問題となる、白人警官の黒人に対する過剰な取り調べ。
大抵は警官の明らかに差別的で過剰に暴力的な黒人に対する扱いが問題になりますが、
時には黒人側のいかにも乱暴な態度が起因となることもあるのでしょう。

というか、つまりそれはその時々の人と人の対し方の問題であるはずなのに、
白人対黒人となると途端に話がややこしくなる。
そして、黒人が白人に対して乱暴な振る舞いをしがちであるというのも、
長い歴史の果てのことであるとも言えましょう。

ところが昨今、こうした問題が多く取り上げられるために、
警察側は同様なことが起きれば少しでもことを大きくしたくない。
ましてや、過去の潜入捜査が絡んでいるとなれば・・・。
そこで隠蔽が起こります。

1人ではなく組織で行われる隠蔽。
これに個人で対峙しようとするのはいかにも難しい。

結局うやむや、未解決のまま真実は葬り去られる。
こんなことは、どこでもいつでも起こっていそうです。

それでも、地道になお真実を明かそうとする執念を人は持ち得るのか。
本当のヒーローとはこういう人なのかも知れません。

 

<WOWOW視聴にて>

「L.A.コールドケース」

2018年/アメリカ・イギリス/112分

監督:ブラッド・ファーマン

出演:ジョニー・デップ、フォレスト・ウィテカー、トビー・ハス、デイトン・キャリー

 

歴史発掘度★★★★☆

真実探求度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 



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