秘密が明かされるとき
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先にイタリアのコメディ映画「おとなの事情」を見たところですが、
本作はその日本版リメイク。
親しく付き合いのある3組の夫婦と一人の独身男が集まり、
それぞれのスマホに届くメールや電話を全員に公開するゲームを始めるという、
同じストーリーです。
本作は各人の職業や、独身男がゲイであること、
二人のスマホを入れ替えることで起こる混乱、
等ほとんど元版を踏襲しています。
でも日本版はやはりわかりやすいというか、
それぞれの人の反応などがとても納得しやすいというか、
まあ、親しみやすいです。
そしてこれが月食の夜という設定も同じ。
けれど、本作に関しては、これが月食の夜である必然性が本当にあるのかどうか、
ちょっと疑問。
元版と大きく違うところが一つだけあって、それが、この7人の関係性。
元々どのように知り合ったのか、というところが問題になります。
それで、結局秘密だらけで裏切られたような気がしても、
それでも僕らは絆で結ばれている・・・みたいな終わり方になっちゃうのです。
中程は変にウェットな感じにもなってしまっていて、
これがやはり日本版だからなのかなあ・・・と感じてしまうところ。
で、エンディングロールでこの脚本が岡田惠和さんと知って、妙に納得。
それにしても本作はちょっと、いい話にしようとしすぎたように思います。
元版の、ちょっと突き放したような、秘密は秘密のままで本当にいいのか、
と突きつけられる感じがなくなってしまった。
イタリアの元版に軍配を上げざるを得ません。
<WOWOW視聴にて>
「おとなの事情 スマホをのぞいたら」
2021年/日本/101分
監督:光野道夫
脚本:岡田惠和
出演:東山紀之、常盤貴子、田口浩正、益岡徹、鈴木保奈美、木南晴夏、淵上泰史
原作再現性★★★☆☆
満足度★★.5
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