移民の少年たちの施設で
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本作は、単にシェフの奮闘物語とかグルメを取り上げた作品ではありません。
最近のフランス作品によく見られる、
社会問題を取り上げつつ、人と人との絆の大切さを歌い上げる作品であります。
一流レストランのスーシェフを勤めるカティ(オドレイ・ラミー)ですが、
シェフと方針が会わず、大げんかをして店を飛び出してしまいます。
やっと見つけた次の職場は、移民の少年たちが暮らす、自立支援施設。
しかし、そこにはまともな食材も器材もなく、
そして調理人は彼女1人のみ。
施設長ロレンゾは、不満を訴えるカティに、
少年たちを調理アシスタントにしては?と提案します。
そして希望者がいきなり押しかけたので、厨房は大混乱・・・。
カティは、家でも調理をしたことのない少年たちに
一から料理人としての技を教えることにします。
やがて調理は少年たちの未来に繋がり、
そしてまた、孤独だったカティの人生をも変えていくのです。
この施設で少年たちを受け入れ、自立への手助けをしようとする
職員の健闘にまず拍手。
始め、少年たちにどう接してよいのかよく分からなかったカティに、施設長は言うのです。
「同じ職員だから、きみにも少年たちに責任がある」
それぞれに問題を抱えながら、なんとかこの地で職を得て暮らしていきたいと
一途に願う少年たちのために、自分もなんとか力になろうと思うようになるカティ。
そんな彼女は、シェフとしての腕も上げていって、
テレビ番組の「料理人対決」に出るようになります。
どんどん勝ち残ってついに決勝までのこったカティ。
さて、その決勝戦では・・・?
というところで意外な展開になるのも、お楽しみ。
楽しめます。
<シアターキノにて>
「ウィ、シェフ!」
2022年/フランス/97分
監督・脚本:ルイ=ジュリアン・プティ
出演:オドレイ・ラミー、フランソワ・クリュゼ、ジャンタル・ヌービル、ファトゥ・キャバ
社会問題提起度★★★★☆
少年たちのバイタリティ★★★★★
満足度★★★★☆
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