映画と本の『たんぽぽ館』

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君を想い、バスに乗る

2022年07月27日 | 映画(か行)

ランズエンドにあるもの

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愛する妻、メアリー(フィリス・ローガン)を亡くしたばかりのトム(ティモシー・スポール)。
かつてメアリーと出会った場所を訪れるため、
ローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の旅に出ることを決意します。
50年暮らしたスコットランド最北端の村、ジョン・オ・グローツから
イギリス最南端の岬、ランズエンドを目指します。
道中、様々な人に出会い、トラブルに巻き込まれたり助けられたりしながら旅は続く・・・。

歩くのもヨタヨタで大変そうに見える老人の一人旅。
路線バスを乗り継ぐのもなかなか大変です。
彼の荷物は小さなカバン一つですが、何か大事なものが入っているらしく、
なくしたりしないよう特に注意を怠りません。

そんなバスの旅を描きながら、若き日のトムとメアリーの映像が差し入れられます。
少しずつ明らかになる過去の出来事。

どうやら彼らは、50年前にスコットランドの北の村にやって来て住み着いたようです。
その道のりを今、トムは逆向きにたどっているらしい。
その時の出発点が、ランズエンド。
いったい何があって、彼らはランズエンドを後にしたのか・・・。
真相が分かるにつれ、切なくて、涙、涙でした・・・。

さて、バスで旅をするトムのことがSNSで「謎の老人」として伝えられ、
イギリス中の人々が盛り上がっていたのです。

でも、スマホも持たないトム本人には全くあずかり知らないこと。
ついにゴールとなる地にたどり着いたとき、多くの人が迎えに出ていたのですが、
トムは何でこんなに人が集まっているのか、分かっていません。
そして人々も、トムがなんの目的でこの地を目指していたのかを知らないのです。

でも余計なお節介はせずに、じっと見守ろうと暗黙の了解をしていたようではある。
この奥ゆかしい感じが実にイイ!!

確かにひどい人もいるけれど、世の中なかなか捨てたものじゃないよね、
という気がしてきます。

そして、この二人の夫婦愛が最後にまた身にしみます。
いいものを見たなあ・・・。

<シアターキノにて>

「君を想い、バスに乗る」

2021年/イギリス/86分

監督:ギリーズ・マッキノン

出演:ティモシー・スポール、フィリス・ローガン

 

ロードムービーを楽しむ度★★★★☆

夫婦愛度★★★★★

満足度★★★★★



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