映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

1秒先の彼女

2022年07月28日 | 映画(あ行)

人よりワンテンポ早い女と、遅い男

* * * * * * * * * * * *

台湾発、ファンタジック・ラブストーリー。

郵便局で働くシャオチー(リー・ペイユー)。
仕事も恋もさえない日々。
そんな彼女が、街で会ったハンサムなダンス講師と「七夕バレンタイン」にデートの約束をします。

しかしその日、彼女がふと目を覚ますと、すでにバレンタインの翌日になっていたのです。
彼女はなくした大切な一日の記憶を取り戻そうとしますが・・・。

さて、こんな出来事とは別に、
一人の青年・グアタイ(リウ・グァンテン)が登場します。
グアタイは、シャオチーの勤務する郵便局に毎日1通ずつ手紙を出しにやって来ます。
シャオチーは、切手をまとめて買ってポストに入れればいいのに・・・、
変な人、といつも思う。

本作前半は、こんなシャオチーの日常と、なくなってしまった大切な一日のことが語られます。

そして後半、その解答編とでも言いますか、
なぜシャオチーにこんなことが起こったのかという話になるのですが、
実はこちらはグアタイが主役。

そこでは、彼の周辺の人々が皆動きを止めてしまう、というミラクルな出来事が起こります。
あれ、これは先日見た「私は最悪。」と同じじゃありませんか!!
でも「私は最悪。」の方は、あくまでも「気持ち」を表現したもの。
本作は、そういう不可解な出来事が実際に起こってしまった、というファンタジーなのです。

 

シャオチーは行動がいつもワンテンポ人より早い。
逆に、グアタイは、行動がいつも人よりワンテンポ遅い。
このことが根底となっていて、巻き起こる不思議なのでした。

グアタイの涙ぐましい恋心にほろりとさせられてしまいます。
そして家を出て行方不明のシャオチーの父親が
意外なところで登場するのも、ナイスです。

なんてオシャレで楽しい作品。
チェン・ユーシュン監督、すっかりファンになりました。
本作、日本でリメイクが決まったそうなのですが、このままで十分面白いのですけどねえ・・・。

<WOWOW視聴にて>

「1秒先の彼女」

2020年/台湾/119分

監督・脚本:チェン・ユーシュン

出演:リウ・グァンテン、リー・ペイユー、ダンカン・チョウ、ヘイ・ジャアジャア、リン・メイシュウ

 

ミラクル度★★★★★

ラブストーリー度★★★★☆

コミカル度★★★★☆

満足度★★★★★



最新の画像もっと見る

コメントを投稿