見知らぬ明日―グイン・サーガ〈130〉 (ハヤカワ文庫JA)栗本 薫早川書房このアイテムの詳細を見る |
とうとう最終巻になってしまいました。
いつもなら300ページほどの分量があるのですが、この本はおよそ半分。
いかにも、未完ですね。
最後の最後まで執筆をしていらしたんだなあ・・・、というのがわかります。
栗本さんの気持ちをちょっぴり反映してか、この本は少しトーンが沈みがちですね。
そう、なぜか宰相などになってしまったけれど、本当は、こんなことがしたいわけじゃなかった。・・・と、物思うヴァレリウス。
いつか、ここを出て行ける日が来るのだろうか・・・。と。
リンダはリンダで、私はこのまま女としての幸せも知らずに、パロに一生をささげるのだろうか・・・と、
まだこない明日に暗澹とした思いを抱いている。
どちらも「明日」を見据えながら、ちっとも明るい希望が見えない。不確定・不安に満ちた「見知らぬ明日」なんです。
でも、やはりそれでも、栗本さんはそれだけでは終わらせない。
イシュトのとった意外な行動。
とっとと、ヤガへ向かったはずなんですけどね。
なぜか秘密の精鋭部隊が、クリスタル方面へ逆戻りしている。
・・・・・・うわ~。
イシュトがこの先どうしようとしているのかは、永遠にわからない、ということですか。
ストレスですよね~。
いや、ストレスの素は数え始めたら、キリがナイのですけれど・・・。
ほんと、イシュトヴァーンの考えていることは、常識じゃ計り知れませんから。
この先のストーリーは、公募してコンテストで決めてはどうでしょう・・・。
これまでのストーリーをよ~くわかっていないとダメですよね。
矛盾が生じてはいけないし・・・。
ああ、栗本さんは、汲んでも汲んでも尽きない、ストーリーの泉を持っていたんでしょうね。
・・・当たり前のように思ってしまっていました。
誰にもまねできそうにない。
勝手な想像をするとすれば、イシュトはリンダをかっさらにいくのではないでしょうか。
・・・いいね、それ。
そうして、リンダともどもヤガへ向かう。
ヤガのごたごたというか、異変は、リンダがそこへいくことでしか解決しない。
イシュト+リンダって、何かをやり遂げそうな感じがするでしょ。
パワフルだ。
ふむふむ・・・。でも、そこにフロリーもいるんだよ。
気まずくない?
う~ん、悪いけど、フロリーはここで命を亡くすのだな。
スーティを守って。
そんな、勝手な・・・。
やっぱり、だんだん怪しくなってきたね。あんたじゃムリ。
私にとって、まさに生涯を通じた愛読書だったのですが。
こういう形で最終巻を迎えるとは思いませんでした。
栗本先生、長い間たくさんの冒険とロマンをどうもありがとうございました。
満足度★
・・・満足なんてできるわけありません!
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