ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

ポスター・チラシも劇団の実力!

2007-05-16 21:47:48 | 演劇

 東京行くでしょ。芝居見る、と、押っつけられるのが、分厚いチラシの束。ちょっと迷惑だけど、あれ結構楽しみだ。ほんと!いろんな人たちがいろんな舞台作ってる。なんか、芝居に対するものすごいエネルギーの固まりを手にしてるって感じだ。まさに生の情報ってところ。それと、チラシのデザイン!これも、もう、様々あって、ほんと楽しい。あの何十枚の中から、人目を引こうてんだから、作る人も気張るよね。自分の全才能傾けて、知恵絞って、アイディア出し切って、勝負だから。劇団の人たちの来て来てパワー!とチラシデザイナーの見ろ見ろ念力!の相乗効果だもの、こりゃたまらんわ。

 菜の花座もそんなチラシ・ポスターを作りたいって熱望してきた。そのためには、まず、才能を育てなきゃね。菜の花座で絵と言ったら、何と言ってもサオリ。だから、このところずっと彼女にお任せでやってきた。彼女のデザイン、悪くないよ。意表ついたアイディアで、毎回面白い。でも、あの見ろ見ろ念力には欠けるんだよなあ。やっぱり役者との二枚舌、いやいや、二足のわらじはきついんだろうな。

 とりわけ今回のサオリは、演技の他にとてつもない役回りに、グルグル巻きにされちまったからね。クラリネット!!吹いたこともない、触ったこともない、見たこと、・・はあるよな、クラリネットを本番までに最低3曲仕上げなくちゃなんないんだ。なんせ、チンドン屋の社長の役だからね。先週も、クラリネットを無理矢理押しつけられ、毎日1時間は練習しろ!と冷たく座長から、つまり僕だけど、厳命されたところだ。だからね、できませんよぉ!勘弁してくださいよぉ!さおり得意の嘆き節、今回ばかりは、嘘泣きじゃあない。仕方ない、認めよう。はて、じゃ、チラシ・ポスターどうする?

 絶対絶命のピンチ!と言えばスーパーマンの登場。これまでも何度もあった崖っぷち、菜の花座には、その都度スーパーマンまでは現れなかったけど、オタスケマンくらいは、必ず登場してくれていた。

 やっぱりだぁぁぁぁ!!今回のオタスケマンはメグミ。この春高校を卒業したばかりの若手イラストレーターだ。あえて就職もせず、この仕事でプロになることに狙いを定めて修行中の身だ。彼女の絵には、壊れてしまった若者の哀切な涙のひとしずくがある。ちょっと異教風の題材なんかもあって、そうか、『おもかげチャンチキ』にすっかり重なるじゃないか。なんせ、菜の花座には珍しく暗い話しだから。

 話しはまとまり、約束通り10日でしっかり仕上げてきた。そうなんだよ、これなんだ!イラスト勝負、この気迫が欲しかったんだ。で、彼女が仕上げてきた絵は、第一話の少女柚木のチンドン姿だった。うつろに見やる眼差しに少女のあどけなさと色っぽさが二つながら宿っている。彼女のえんじ色の着物を透かすように黒い電柱と電線がこれまた、寂しげに立っている。電線は柚木の異世界への憧れだろうか。主役は違うが、台本の根っこをしっかりと押さえている。いいよ、なかなかいい。文字の処理の仕方なんかにまだ勉強の予知があるけど、それはこれから追々にだ。このポスターはきっと評判になるね。

 さらに、嬉しいことには、舞台美術もやってみたいと意欲を見せてくれたことだ。とりあえずは、僕が考えた装置のパネルを彩りしてもらうつもりだが、いつかは、すべて任せきってみたい。さらに、メグミのイラストに触発された芝居が生まれるなんてのも、凄いと思う。

 だから、彼女のチラシ、早く印刷屋に回さなくちゃいけないのに、チラシ裏作らずに、こんな文章書いてて、まったくもう!!

コメント (2)
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