ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

西田佐知子って知ってる?

2007-05-23 23:01:38 | アート・文化

 いやぁ~便利になったもんだなす!って、ついつい訛っちまうよ。レコードが自分とこでCDにできちゃうんだからね、まったく。いいの?こんなことできてって、おじさんとしては、嬉しいような、不満なような不思議な気持ちだ。

 ソニーだかどこだかから、レコードをCDに簡単に作り替えるプレーヤーが発売されて、大人気だって聞いたけど、よおーくわかるよ、買う人の気持ち。だって、音楽好きの熟年ならLPの100枚や200枚、大切に保存してあるもんなんだから。もちろん、僕にも、あるゾ、ある。シュタルケルのバッハ無伴奏チェロソナタ全曲とか、ビートルズとか、ローリングストーンズとか、中には、今じゃ手に入らないカルメンマキとか浅川マキとか。なんちゅう聞き合わせじゃ、って僕も思うけど、人生60年近くも生きてくりゃ、いろいろ聞くんだよ、音楽だって。寄り道、道草、遠回り、これが人生だから。

 でも、人並みはちょっと嫌いな僕としては、ソニーのお膳立てにすんなり乗るつもりはないからね。だって、コンピュータあんじゃないの。ソフト入ってんじゃないの。そいつ使いこなせなくて、なんだよ、ってそれほど肩肘張るほどのことでもないけどね、VAIOに最初からインストールされてるSONIC STAGE MASTERING STUDIOを使ってやってみた。もう、何年も埃かぶったままになってたレコードプレーヤー引っ張り出してきて、パソコンにつないであるミニコンポに接続し、SONIC STAGE MASTERING STUDIO立ち上げて、後は指示に従って録音するだけ。簡単なもんよ、って終わってみれば言えるけど、実は、結構、大変だった。どこに差し込むんだこのコード?なんのポジションで再生すれはいいの?取れたみたいだけど、どこに保存されたの?保存形式?なんじゃ、それ?・・・・・もう、難問続出!

 でもね、このLPをなんとしてもCD化するんだ、っていうきつーい執念があれば、最後はなんとかなるもんよ。どんだけ時間かかったか?って、それは言わない。僕のためと言うより、この後、この記事見てやってみようかな、なんて思った熟年のためにも。ともかくできたんだから、僕にだって、これだけは言っておこう。これで、大切に取っておいたLP200枚の命も長らえたってことだ。めでたしめでたし!

 なんで、今回、こんな血眼になってLPのCD化に食らいついたかって言うと、やっぱりお芝居なんだよね。菜の花座次回公演『おもかげチャンチキ』の中で、西田佐知子の『アカシヤの雨がやむとき』を若い役者に歌わせることにしたんだ。ところが、西田佐知子ってだれ?西田敏行の奥さん?って有様だからね。聞かせてくれなくちゃわかんなあい、はいはい、じゃあ、LPあるから、持ってくる。レコードなんてどうやって聞くの?そうか、レコードプレーヤーのある家なんて、特殊中の特別だったんだ。よし、わかった!CDに焼いてくるから。と、まあ、こんな行きがかりで、この新しい事業に取りかかったっていうわけなんだ。

 録音しながら、2回も全14曲聞いてしまった。う~ん、いいねえ!懐かしいねえ!と、もうほとほと思い出に浸るおやじになった数時間だった。捨てられる女の嘆き節。それにしても、若いとき、こんなもん聞いてたんだ、って我ながら、恥ずかしいような、嬉しいような、そんな恥部が、今となれば貴重だったな、ビートルズだけじゃウソだもんな、なんて、自分を慰めたり褒めてやったりしながらの、懐かしのメロディ大全集だった。

 で、どれもみな良い曲なんだけど、お芝居で使わせてもらう『アカシヤの雨がやむとき』の歌詞(作詞:水木かおる 作曲:藤原秀行)の一部だけ、あっ、著作権侵害になるといけないから、一部だけ紹介させてもらおう。もちろん、上演の際は、著作権料お支払いいたしますよ。

「アカシヤの雨にうたれて このまま死んでしまいたい・・・・・・・冷たくなった私をみつけて  あの人は 涙を流してくれるでしょうか」

 こんな歌詞を涙を流しながら、何度も何度も聞いていたんだ。括りたくはないげと、やっぱ、青春だったんだ。

コメント
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