ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

男来る!『つぶやき六角堂』

2010-05-11 23:48:44 | 演劇

 男来る!なんのこっちゃ?

 菜の花座公演『つぶやき六角堂』稽古のことよ。大切な役所”男”役のKさんが来てくれたっとこと。ちょっと心配してたんだ、今回出てくれんのか?って。Kさんに当てて書いた役だからね、どうしても出てほしいと思っていたんだ。

 そう!”男”。名前は付いていない。行き倒れのホームレス。老舗の和菓子店『六角堂』の前で行き倒れ、何故かその家の息子と間違われて連れ込まれる。不思議な役だ。奇妙な存在感がKさんにぴったり。どうしたってやってもらわなくちゃね。

 さっ、これで残るは悪徳コンサルタント役。当て書きした役者がたまたま公演日家族サービスの予約済みでダメ!あっちに当たり、こっちに当たり。行き当たったのが、某高校演劇部顧問!引き受けてくれるといいんだけど。絶対はまり役だ。

 で、こちらは教え子のエミとマキコが電話作戦に移ることになった。やれば楽しいんだけどね。きっと演劇部のためにもなると思うしね。

 待ってますよ、顧問!Come on!ってだじゃれかよ、おい!

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『カルメン』を見る

2010-05-07 22:09:54 | 教育

 数日前から、細切れに見てきた『カルメン』のDVDを見終わった。幸い視聴覚室に最新型の大型液晶TVが入っていたので、部屋を真っ暗にして部員全員で鑑賞した。

 定期公演『カノン』がカルメンを下敷きにして書かれた作品なので、まずは、事前学習の意味で見せた。もちろん、一番の目的は、沙金役の生徒に、男を手玉に取る悪女を目にも心にも刻み込んでもらいたかったからだ。置農演劇部は初心な奴らの集団で、最近はとんと浮いた話しも聞こえてこない。そりゃ、ほとんど休みもなく部活なわけだから、デートも恋愛も関係ない!ってわけなんだ。中でも沙金役は!おっと!個人情報、個人情報!

 カルメンの妖しい魅力、出来ないまでも、感じ取ってもらいたかった。その目的が達せられたのかどうか、そいつはこれからの稽古で明らかになるだろう。

 もう一つの目的は、部員たちにオペラっていうものを見知って欲しかったってことだ。オペラなんて、見ないものねぇぇぇぇ。僕だって、ほんと久しぶりだもの、部員たちにはオペラなんてものがあるってこと自体、驚きの体験だったんじゃないだろうか。日頃ミュージカルもどきをやっている者としちゃ、その元祖というべきオペラの一つくらい見とかなくちゃ!で、今回、忙しいスケジュールの中、無理矢理時間を作って見せた。

 飽きるかな?って心配してたんだ。カルメンの音楽は親しみやすい楽曲だとは言え、やっぱりオペラだからね、ポップスや演歌とは違う。歌い方だって徹底的に響かせる歌唱法だしね。初めて聞けばきっと違和感あると思うから。

 ところが、これが、意外や意外!部屋を真っ暗にし見たにもかかわらず、居眠りする奴なんてほとんどいなかった。みんな夢中で画面を注視していた。そして、見終わっての感想でも、男と女の愛憎劇に心動かされたみたいだった。オペラという世界があり、カルメンとドン・ホセのような恋があり嫉妬があり愛憎がある。そんな大人の世界をかいま見て圧倒されたようだった。

 で、何より立派だなって思ったのは、自分たちと縁遠い世界や表現に対して、素直に、謙虚に接していこうとする彼らの態度だ。今時の若者に欠けている心性だよな、これ。自分たちの見知った世界とかけ離れたところにも素晴らしものがたくさんある!これだよ、この真摯さが無くちゃ成長なんてあり得ない。

 演劇部が、そんな別世界への扉を開ける役割を果たしている。彼らがその扉をくぐる手伝いをできたこと、これが僕の一番の実績っていえるのかも知れないね。

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こたわりの音楽座『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』

2010-05-05 22:02:22 | 劇評

 三年ぶりの川西公演だ。前回は『アイ ラブ 坊ちゃん』。こんな題材がミュージカルになるのかっ!という新鮮な驚きに圧倒された。それととことんこだわった舞台作りにも打ちのめされた。そんなこともあって、その年の地区生徒講習会には音楽座から藤田将範さんに来てもらったし、県大会では井田安寿さんに審査員になってもらった。ついでに言うと、その時置農演劇部は初めて県大会を突破して東北、さらには全国への切符を手に入れたんだった。

 それほど、思い出深い音楽座なのだ。だから、今回だって、恒例の子どもミュージカル米沢児童館公演をお断りして全員でワークショップ、バックステージツアー、観劇、さらにバラシと徹底的におつきあいすることにした。ワークショップが感動的だったってことはすでに昨日書いた。今日は舞台についての感想だ。

 改めて、音楽座って徹底的にこだわる劇団なんだってことを痛感した。流れ星は飛ぶ、ビーム光線は客席を走る、装置は動き回る、巨大な輝きパネルがおりてくる、紗幕使いも前回同様目を見張る、ほんと、見ている者が楽しめる工夫が、これでもかってくらいに仕込まれている。もちろん、ダンスも歌も決まってる。演技も巧みだ。歌が適度なこともいい。衣装も、宇宙人のものといい、彼らが地球人になりすましている洋服といい、一つ一つ納得のいくものだった。

 中でも良かったのは、動き回る迷路かな。5尺幅×10尺ほどの箱が舞台上をあちらこちら動き回って人を閉じこめる。書かれた絵といい、これはもうまったく僕好みだ。だって、去年、地区大会でこの動く装置ってのやってたものね。置農はただパネルが裏表リバーシブルになってるってだけだったけど、音楽座ではそれがいろんな組み合わせで、迷路になったり、壁になったりしていた。もちろん、裏面も使えるようになっていて、裏返して広げて喫茶店の内装に仕上げられていた。迷路の時は、これに不気味な照明が当てられて、物語全体を象徴する不確かな不思議な歪み空間が生み出されていた。

 あと、装置で特筆は異星人の世界の作り方か。舞台一面をキラキラ輝くステンドグラスのようなもので覆っていた。これ、バラシの時に見てみたら、なんと透明の弁当パックに蛍光塗料を塗ったものが大量に張られたアクリ板だった。やられた!でも、これが2本のバトンに目一杯吊られていて、当然そのフレームは金属製だった。やるとなったらとことんなんだよな、音楽座は。

 さらに、公演の柵は降りてくる、星球は輝く、紗幕は2枚、監獄の檻も吊りもの、おいおい、いったいどこにそんなバトンがあるんだ???ブラザのバトンは4本のはず?これまたバラシでわかったけど、暗転幕を丁寧にたくし上げてそこに前面の黒紗は吊られていたし、バトンにさらに張り出しのバトンを作りつけてそこにも装置を吊っていた。ともかくどこまでもこだわった舞台作りだった。

 じゃあ、物語の方はどうだったのか?これは残念ながらちょっと夢中になれなかった、僕の場合。好き嫌いって言うべきかな。、こういう純愛ものには心が動かなくなってるんだろうな、もはや。まっ、余計に生き過ぎちまったものの限界って言うか、汚れちまったっていうか、すり切れてしまてるっていうか、人間いろんなことを知りすぎるってことはよくないなぁ!

 人間と宇宙人との生命の交換って展開も、面白いとはおもったけど、心はなびかなかったなぁ。ヒロインが殺人を犯す展開などは、もう完全に見通せてしまっていて、そうそう、そうなのよね、って見えてしまう、このわびしさ!だから、舞台全体からの圧倒的感動って状態には至らなかった。だから、ほとんど全員のスタンディングオベーションにも素直に加われなかった。

 あと、主役の若手二人が、うーん、どうもねぇぇぇぇ?!特に加代。生まれと育ちと出身地大阪を表現しきれたとはいえないな。やっばり、育ちがいいんだよ、彼女。周りを支える役者陣は、歌唱力演技力ともに安定していて大いに楽しめたんだけどね。特に宇宙人三人組は、台本の設定も巧みで大いに楽しめたし、歌も説得力のあるものだった。

 と、やや否定的な印象の感想になってしまったけど、音楽座の舞台作りへの真摯な姿は、大いに心打たれるものがあった。学ぶものもたくさんあった。だかこそ、終演後3時間近くもバラシを手伝ってしまったってことなんだ。ほんと!一所懸命働いたものね、僕としては。で、最後の言葉、部員の一人が言っていた、「また、早く来てくれるといいですね。」 

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一歩踏み出す!音楽座ワークショップ

2010-05-04 21:57:12 | 教育

 音楽座のワークショップ、楽しみにしていたんだ。担当の藤田将範さんとは3年ぶり。前回もとても楽しかったから、今回だって!

 期待はまったく裏切られなかった。いえいえ進行の藤田さんのパワーは3ランクぐらいグレードアップしていて、スタートから3時間強のワークショップの間中、参加者の心をしっかりとつかみ続けていた。

 今回は、さらに明日の公演に出演する中心メンバー3人が助手に付くという超豪華版だったからなおのことだ。身体を揺らし、心を揺さぶり一気にハイテンションに持ち上げて、さらに参加者同士の親近感も作り上げてしまった。

 ワークショップの内容は分けると二つの部分からなっていた。一つはよくあるパターン。見ず知らずの者同士が心を開くためのワークや、相手への集中を目的としたワーク。特に目新しいものではなかったけど、何と言っても藤田さんのしゃべくりの調子の良さ、テンションの高さ、気の利いたウィットに支えられて、知らず知らず参加者は一つのステージへと導かれていった。

 も一つは音楽とダンスを組み込んだワークだ。最初は手と足が別の動きをするダンス。これは前回もあった。でも、それを今回は補助の三人が参加者が別れた三つのグループをそれぞれとりまとめて、一つのダンスショーに仕上げてしまった。これでもう部員たちは完全に虜になったね。

 そして、今回新しかったのが、今回公演する『シャボン玉とんだ 宇宙(そら)までとんだ』の中で歌われる曲を使ってのもの。一つはその曲の一部の歌詞をグループごとに替え歌を作るってワーク。これは5,6人が頭を付き合わせてアイディアを出し合うもので、一緒に一つのものを仕上げる面白い協同作業になっていた。できれば、そのグループが自分たちで歌えばもっと良かったけどね。

 最後にはミュージカルのフィナーレナンバーを演じる役者たちを囲んで歌った。ここでも肩を揺すぶりあい足踏みをし、肩を組んで動きと、常に心と身体を揺さぶり続けた超特急スーパーワークショップだった。

 音楽座のワークの良い点は、音楽座のミュージカル作りの原点そのものをフルに生かして組んでいるってことだ。それは人への信頼感であり、夢や希望への熱い心だ。高校生にとって本当は信じたいけど、気恥ずかしい、そんなこわばりが、ワークの中でほぐされ解き放たれていく。その心地よさ秘密なんだと思う。誰だって人とつながりたい、人を信じ合いたい、人と抱き合いたい、そんな願いをひととき実現してくれたのだと思う。

 今日の言葉二つ。『たった一歩踏み出せばいいんだ!』『歌はみんなで歌うもの。たとえソロであったとしても』心にとめておきたい言葉だ。

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先輩来る!

2010-05-02 21:04:08 | 教育

 今回は、内輪ネタ?になっちまうかもしれない。ごめんなさい。

 連休2日目、演劇部の稽古に、卒業生がやってきた。その数なんと11人!しかも、今年の卒業生、去年の卒業生、そして、その前2年前の卒業生まで!

 よく来てくれた!どやどやと部室になだれ込んで来たときには、ちょっと、ほろりとなってしまったよ。みんな、置農演劇部が懐かしいんだよな。3年経っても忘れられないんだよな。そのくらい濃い、こーい!三年間だったってことだ。口じゃ、辞めたかったとか、辛かったとか言ってるけどね、じっくり話しをすれば、思い出せないくらい楽しい思い出、感激の日々がよみがえってくるに違いないんだ。

 一通り紹介が終わってから、ダンスの新曲、『最上川舟歌』を見てもらった。みんなが卒業した後も、後輩たちはしっかりやってるぞ、ってとこ見てもらわなくちゃね。それとちょっぴり羨ましからせることもね。でも、見てもらうだけじゃきっと欲求不満になんだろうから、『ウオンビー ロング』を一緒に踊った。息上がるとか、しんどいとか言いながらも楽しく踊ってたなあ。

 いいよね、こうやって先輩と在校生が一緒に踊れるのって。一つになれるものね。同じ演劇部に所属したっていう一体感と、時期は違っても同じ体験をしたんだっていう共感が生まれるからね。ダンスの良さだ。部の活動の柱としてダンスを入れていてほんと!良かった。

 ということで、今日はその画像をアップすることにした。今日仕事でこれなかった卒業のためのサービスだ。部員以外の皆さんは勘弁してくださいね。

Photo

Photo_2

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