地区の私立幼稚園の先生方にお話しをした。テーマは食育と子どもミュージカル。始めに置農食育ミュージカルの歴史、大袈裟だろ!とか僕の食体験なんかおしゃべりして、後半は子どもたちを引きつけるお芝居の作り方を聞いてもらった。
僕がこれまで子どもミュージカルを創ってきて学んだこと、感じたことなど、お遊戯会とか学芸会とかの時、ちょっとしたヒントになればって思って話させてもらった。そのレジュメをここに載せよう。なんだ、また、ページふさぎか?ってまあそういう面もないわけじゃないけど、結構まとまってて役に立つんじゃないかと思うんだ。
子どもミュージカルの作り方:私の創作方法から
①子ども劇はフルコース料理
1)オードブルがあって魚料理があって肉料理があってサラダがあってデザートがあ
ってコーヒーがあって、次々にサービスされる美味の数々
2)一品一品が楽しめて、全体として納得のいく食後感
3)ストーリーはディナーのコンセプト
・しっかりとしたストーリーが食事の興味をつなぐ
4)楽しめるショートコント=一品の満足感
・1シーンでも楽しめるものを
・バラエティあるシーン(=ショートコント)を作る
②子どもたちを引きつける
1)キャラクター
・子どもたちの心をガシッとつかむ
・魅力的な個性
→子どもたちが共感できるキャラクター
→突拍子もないキャラ
→かっこいいけどちょっと抜けたキャラ
ex:子猫ポッチ
・いじめられっ子 ・弱虫 ・小ずるい ・一言余計
・根はまじめ ・意地汚い」
・平板にならぬこと
・いい子に成りすぎない
・キャラを際だたせる
→独特の言葉使い
・方言も大切な道具
・奇妙な話し言葉
ex:召使いの語尾「・・・・だにゃぁ」
→癖やこだわり
・思いがけない癖は笑いを誘う
ex:自分をパーマンと思いこんでいるピーマン
パーマンと呼ばれると笑顔でお愛想
ピーマンと呼ばれると無視してポーズ
2)インパクトある外見
→かぶり物を工夫
→衣装を工夫
・思い切ったデザインを
ex:猫の目がハート 猫の色が紫
3)笑いは欠かせぬスパイス→料理にアクセント
・設定(シチュエーション)で笑わせる
ex:ねずみが怖い猫
何度も出てくる門(門番は門に一体化している)
・言葉遊び
だじゃれ
オノマトペ(擬態語)
・仕草で笑い
・反応のナンセンス
勘違いや行き違い 常識を吹き飛ばす
4)クライマックスはメインディッシュ
・劇的効果→観客の納得=満足
・テーマを観客の心に染み渡らせる
5)テーマ
・見終わって、観客が芝居を一括りできることも大切
←人は納得したがルもの(特に大人は)
→だから、子どもたちだけが対象ならあまりテーマにこだわらない方が良いかもしれない。→押しつけがましさはうっとうしい
③当て書きはシェフの得意技
・個々の子どもにふさわしい役をふり、しゃべりやすい台詞を書き、演じやすい演技を付けてあげる。
・子どもたちを知っている、だから書ける
→無理なく演じられる
→自然の演技
→楽しく演技
→生き生き舞台
④稽古は楽しく
・押しつけない、型にはめない
・遊びも入れて、興味を引きつける
Ⅲ演劇の教育的効果(子どもたちにとっての演劇体験)
①演劇はごっこ遊びの延長?
・どきどき体験、異次元体験
・なりきることの快感
②仲間の大切さを知る
・みんなで協力だからできる凄いこと
・改めて友達を見る、知る
③ルールを守る大切さ
・お芝居というルール
・お芝居を作るためのルール
・役割を果たすことの大切さと満足感
④生まれる自信
・やり遂げた自信、達成感
・自分を見直す
と、まあこんな内容を大雑把にはしょりながら話した。だって、前半も含め正味45分な
んだものね、走って飛ばしてかっ削って終了。果たしてどんだけ伝わったかな?
うーん!どうもあまり面白くなかったようだ。話しの最後まで固い表情はほぐれなかった
ね。話し下手なんかなぁ?内容詰まらないのかなぁ?それとも、この人ら、もともとこんな
お堅い人たちなのか?だとしたら子どもたちかなり不幸だな、なんて思いながら話しを続け
た。
ところがね、講演の後のショートコント作りになったら、なんとまあ、生き生き楽しくは
しゃいでやってるじゃないか。そりゃそうだよな!毎日幼児相手に暮らしてる人たちなんだ
もの、表現力だって創造力だって豊かなはずなんだ。だから、先生たちの作るコントは面白
かったし、彼女たちの演技力もなかなかのものだった。
なるほどね、僕の話は釈迦に説法だったのかもしれない。だとすれば皆さん、詰まらぬ時
間をつぶさせてしまってごめんなさい。僕が話したことなんて、もう毎日実践してることだ
ったのかもしれませんね。馬鹿にするな!って腹立ててたのかも知れない。赤面!
なので、教訓!敵を知らずして講演するなかれ!
でも、それにしても、最初っから反応なし?ってちょっとどう考えたらいいんだろ?!