ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

田んぼの水見はロードバイクで

2015-05-26 09:14:00 | 農業
 田植えが終われば、朝夕の水見が始まる。水口の置いたビニールの土嚢などを適度に動かして、田んぼの水を調節する。基本は夜出して、朝止めるのだけど、水は他の人たちとの共有財産、欲しいときに欲しいだけ引っ張ってくる、というわけにはいかない。日本人の協調性が否応なく育まれた理由の一つと言われてる。まっ、そうだろう、僕も水の駆け引きにはとても気を使う。我田引水という言葉も、自分だけ勝手気ままに水を引くというのが原義だ。これも田んぼを作っていると実に実感できる。

 我が家の田んぼは、距離的に実に微妙な所にある。家の前の2枚は別にして、15aが7枚に分かれている田は、細谷堰という小さな水路組合が管理する水を使っている。家から400m、忙しい中、歩いて往復するにはちと遠く、軽トラで行くには近すぎて気がとがめる。そこで思いついたのが、ロードバイクでの水見だ。

 昨年は買ってまもなくってこともあって、農作業に使うなど恐れ多く、考えても見なかったのだが、ロードバイク2年目ともなり、お宝観も薄れ、乗れる時ゃ気軽に乗ればいいんんでね、って投げやりな気持ちも芽生えてきていた。それと、忙しくて!とてもロードバイク本来のツアーなんてしている暇がない。余り時間があればランニングだしね。ってことで、ロードバイクも農業機械として再評価されたというわけなのだ。



 作業着着て長靴履いてロードバイクって最初はちょっと気が引けたけど、すぐに慣れた。周囲の目も気にならなくなった。そう、どうせ風変わりなあの家のすることだって、もうちょっとやそっとのことで驚かないんだよ、隣近所も。

 で、いざロードバイクで田んぼに日参してみると、これがなかなか心地よい。朝夕のひやりとした風を切り、太陽のさわさわとした光を受けて颯爽と?走る。いいなぁ!自然派米作りの姿としては、これぞあるべき姿!軽トラでガソリン使って排気ガス出すなんて野暮の骨頂だったって大いに満足している。

 このロードバイクで水見、問題の一つは、バイクにスタンドがないので、地面にべた倒ししなきゃならないところで、さすがにお宝ではなくなっているものの、かなり気が引ける。かと言って、田んぼの回りに立てかけるような壁も柱もないし、こればっかりは諦めて、そっとバイク様を横たえるようにしている。あと、もう一つ問題が出てくるとすれば、雨が降ったらどうするか?ってことだ。雨に濡れるのも気にせずバイクで行くのか、軽トラの力を借りるのか、まっ、多分、雨の季節が到来する頃には、ロードバイク様も、おいバイク、濡れるけど我慢しろい!ってくらいに農作業に慣れ親しんでいることだろう。
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そのこだわりが舞台を救う!

2015-05-25 10:22:03 | シニア演劇
 遅いんだけど、とっつても遅れてるんだけど、装置のチェックと手直しが終わった。なんと本番一週間前!

 このところ続いているように、装置については使い回しだ。装置作りのプロが辞めてしまったのか非情に痛い。やはり好きでばりばりこつこつやってくれる人間がいないと、まともな装置は作れない。経験積めばシニアだって、とも思うのだが、適当な図面や台本の指示から、具体的にイメージを仕上げて完成まで行き着くには、若さのバイタリティがものを言うようだ、もちろん、センスと技術もね。

 今回『とりかえばや もっか 13』に使うのは、前回菜の花座公演『夢金らぷそでぃ』で作った半月型オブジェ。半割の角材と塩ビ管で骨組みを作り表面に和紙を貼ったもので、SUSや後ろからのコロガシで様々に色染めして雰囲気を出す。『とりかえばや』のメルヘン風の舞台にはけっこうマッチするんじゃないかと思っている。



 『夢金らぷそでぃ』では、傾けたり斜めに吊ったりして変化をつけたのだが、今回は縦軸が垂直に立つようにして使用する。王宮の柱列のイメージだ。片側に重心が偏っているものをまっすぐ立てるてのは、意外と難しい。バトンにワイヤーで吊って、下部を舞台に釘打ちで固定すればなんとかなるか、と思ってやってみたら、やっぱりダメ。重心のある円弧部分傾いてしまう。そこで工夫は、下部に固定用の角材を打ち、それを舞台に固定することにした。

 もう一つの問題は、二つの装置を同じバトンに吊ることだ。高さが適当でいいなら簡単だけど、ぴったり同じ高さに合わせるてのは、なかなかに難しい。ワイヤーの長さを同じにして、装置との固定部分のねじ釘を何度も何度も微調整して、どうにか4本の半月が舞台に立った。仙台でのリハーサルは1時間半、本番の仕込みは20分と高校演劇なみなので、きっちりと作り上げておかなくてはならない、だからかなり几帳面に作業をした。ボーダーライトの素明かりだと、ぱっとしないが、照明さんが怪しく彩ってくれることだろう。

 もう一つの使い回しは階段。菜の花座、置農、プラザ、それぞれが階段を持ち合わせているので、どんな階段でも融通がきく。今回は菜の花座製作の5尺×4尺で2尺1寸上がりのものを使うことにした。これを今回の作品に相応しい彩色を施す。僕の思惑では、まぁ適当に図柄描いて色塗ればいいさ、って程度のものだったのだが、担当のミカさんは、やるとなると徹底してこだわる人。

 まず、何種類かの模様をネットから拾い出してきて、その中から最適なものを選び出す。次にその絵柄を拡大コピーして下絵を作る。その下絵をカーボン紙をはさんで階段に張り、上から鉛筆で丁寧になぞる。それからやおら周囲の色染めをし、最後に図柄を細筆で描いていく。うわーっ!いい加減者にゃとっても出来ない緻密な作業だ。まるで、古典的名画の復元作業のようだ。



 朝から掛かった作業、目論見としては、午後の早い時間帯に終わらせて、あとはひたすら稽古、稽古のつもりだったのだが、結局完成は5時前、稽古の遅れが気になる演出としては、大いにやきもきしたが、仕上がった階段を見れば、これは見事な芸術品?今回の舞台で唯一手間暇掛けた装置なわけで、王宮の中央にどでんと据え置かれれば、これはきっと芝居をいやが上にも盛り上げてくれるに違いない。

 こだわりが舞台を救う!どんな仕事だって、その気持ちで取り組みたいもんだよなぁ。

 

 





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まずはダンス!続いてダンス!!

2015-05-24 08:51:29 | シニア演劇
 あと一週間で本番、『とりかえばや もっか 13』、かなり遅れ気味。階段落ち、肋間神経痛によるリタイヤなどのやむを得ない事情もあるにはあるが、僕の、台本書きとの同時進行が足を引っ張ってる部分もある。昼は次回台本で頭を悩まし、夜は舞台の演出、なかなか切り替えが難しく、せっかくの稽古時間を目一杯使い切れないでいる。そこに田植えも入ってきて、身体も頭脳もフル回転させているつもりなんだが、やはりずるずると遅れを取りつつある。今日から本番まで毎日稽古が続く、どうやら田植えも無事済んだし、疲労も残さずに終われた。問題は台本だが、ラストを仕上げればなんとか、ってところまできた。まずは、『とりかえばや』に集中し、公演を乗り切るしかない。

 芝居作りが遅れている理由はもう一つあって、それはダンスだ。ダンスで幕を開け、ダンスで締めくくるという舞台構成をした結果、否応なくダンスを磨くのに専念せざるをえなくなったってしまった。練習時間が始まると、まずはダンス!オープニングとエンディングで曲は同じでも振りは違うので、それぞれをなんども繰り返しているうちに、ほぼ時間の半分は経過してしまう。前々回など、気付いたら9時を回ってしまっていた。押しやられた演技稽古の方も、投げやりには出来ないので、練習時間は暗黙のうちに10時を過ぎることになってしまっている。



 きっと、きっと、心配なんだと思う。最初のダンスで、なーんだ、なんてしらけムードが走ったら、その後の芝居どころじゃないから。それと、前回公演の山本リンダが大受けしたって体験も強烈に焼き付いているから、どうしたって、おお!やるじゃない!ってところまでは仕上げたいのだと思う。もちろん、僕も大賛成だ。とは言っても演劇だから、お芝居だから、演技の方でも受けなくちゃならない。ダンスもやりたい、芝居にも時間を割きたい。これから一週間、ジレンマが続く。折り合いは付けつつも、諦めず、妥協せず、出来る限り最良を目指して頑張るしかないんだ。

 

 
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田植えいろいろ

2015-05-23 14:27:46 | 農業
 我が家の田は、10aの1枚以外は借りて作っている。そのうち、家の東側、山に向かう道路の両脇にある田は、すべて合わせると20aほどだが、全部で10枚に分かれている。減反の3枚を除いた7枚15aは作っている。かなり小さい。一番小さなものは1.5aほどかな。大きなもので、3a、耕耘や代掻きにはいつも苦労させられる。

 これまた中古で買った代掻きローターなので、やたらでかく、とてもこんな猫の額向きではないから、相当の熟練技が要求される。と言っても、端なんかとてもできないから、まっ、適当に済ますって言った方が当たっている。

 その7枚、全部、我が家で作っているのか、って言うと、実はそうではない。7枚を我が家を含め4人が小作しているのだ。我が家が3枚、残り4枚を3人、それぞれ別々に作っている。

 田が別々なだけではない。米作りの農法もそれぞれ別、個性豊かな米作りをしている。上の2枚を担当するのはSさん。農業がやりたくて福島の川俣町に移住したものの、あの原発事故、彼の地への移住はしばし諦め、高畠に越してきて、今年で4年目を向かえる。

 彼のこだわりは自然農法。耕さずに田植えをし、除草も手取りだけで済ます。肥料もやらない。水と土と太陽の力だけを信頼する農法だ。田んぼが、もっと低地で肥沃な所だったら、かなりの収量も見込めるのだろうが、いかんせん、山地のざる田だ。出来秋には、少ししょんぼりしながらも、こだわりを貫いている。



 その下の田を耕すのは、職場を退職してますます農業への傾斜を深めつつあるTさん。もうすでにこの田を作って20年近くの経験の持ち主だ。彼の特徴は、工夫。畝間や株間も自己流で貫いているし、取水口にいたっては、洗濯機用ホースで水を引くという、まぁ、本物の農家ならぜったい思いつかないやり方を実践している。もちろん、手植え派だ。



 もう一人は、女一人の米作り。東京から高畠に移り住んで十数年、今ではソーラーパネルで売電しながら、優雅にエコライフを楽しんでいるIさん。パイプで組んだ鶏小屋だって自分で手作りしてしまう実行力の持ち主で、今年の田植えでも朝早くから田に線を引き、一人3aの田を手植えしてしまった。彼女の持ち味は徹底した除草管理!常に早め早めの除草をこころがけ、いつ見ても、草一本見あたらない。

 育苗や田の準備は僕が受け持つ。今年はまあまあの苗ができたので、心おきなく田植えを向かえることができた。

 こんな形の貸し菜園ならぬ、貸し水田、手がけてみたら、貸しても借りても、意外と需要が多いんじゃないだろうか。なんたって、米作りは、究極の家庭園芸なんだから。
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田植え機ってこんなに働き者だったんだ!

2015-05-22 17:27:20 | 農業
 田植え完了!たった1日で、信じられない!もちろん、補植はこれからだけど。とりあえず、大まかに植え方だけは終わった。

 これまでだと、速くて丸2日、下手をすれば3日掛かってた田植えだ。田んぼも同じ、面積も同じ、で、この違いはなに?

 そりゃ、新登場!中古田植機4条植え!のお手柄ですよ。いやぁ、田植機ってこんなに働くものだったんだねぇ!苗箱セットして、エンジン掛けて、押していけば、苗が植わるんだよ!って当たり前なのか。



 もう十数年間、わがまま気まま、無能なくせにやたら存在感を主張する?2条植えに悩まされてきた。ちょっと苗の根張りが悪いと、移植作業はボイコット、移植爪は土に埋もれた。田んぼが乾いて固ければ、苗は置き去り、徹底して手抜きをする。もう、どうしようもない身勝手野郎だったんだ。

 田植えが終わったって言っても、1/3は植え残し!その後の補植は、もうほとんど田植え!状態、二日も三日もただ黙々と補植を繰り返すという、周囲からあざ笑われる日々を続けてきた。兼業農家、片手間農家じゃ、機械に金掛けられないし、もらったものは大切にして、後は気力と体力でバックアップ、まっ、そんな諦念と言おうか、世間知らずと言おうか、田植えなら、こんな苦労は当たり前!の意識でやり過ごしてきた。

 だから、農機屋さんから、中古の4条植え良いのがありますよ、って言われても、金は無いけど時間と体力はあるから結構、って断っていた。

 だが、台本書きとか、コント制作とか、シニア演劇学校とか、ステージ演出の依頼とか、やたら忙しくなってきて、体力はともかく、時間がままならない事態。そこにこのブログ毎日更新なんて馬鹿げたこだわりにはまってしまったってこともあって、うーん、出費は痛いけど、仕方ない、買うか!と言うことで、我が家に来て貰うことになった。

 これが、本当に凄い威力を発揮した。10aと12aと2aこの三つの田を一日で一気にし遂げるという快挙を成し遂げてくれた。いやぁ、凄い!本当に植わるんだぁぁぁ!



 苗箱の裏までびっしり根が張ってしまったこともあって、箱から箱への移行部分で時折嫌々をすることはあって、農機屋さんはしきりに恐縮していたが、そんなもん、どうってことないですよ。苗はたっぷりあるし、ちよこっとやり直せば済むことだから。



 感動だ!田植機ってこんなにも優れものだったなんて!5時前に終了した作業と、新しい発見
を祝って乾杯!うーん、ビールがうまいぞ!
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